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対応に追われる自治体 旭化成側に情報提供求める声
10月23日 19時23分

対応に追われる自治体 旭化成側に情報提供求める声
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横浜市のマンションで“傾き”が見つかり、建物を支えるくいのデータが改ざんされていた問題で、国土交通省は、旭化成建材が過去10年間に請け負った全国の3040の物件の概要について、所有者などにも情報提供するよう旭化成側に指示しました。一方、自治体からは、安全性の確認のためにも詳しい情報提供を求める声が相次いでいます。
この問題で、横浜市のマンションのくいの工事を請け負った旭化成建材と親会社の旭化成は22日、過去10年間に請け負った全国の3040の物件の所在地が45の都道府県に上り、改ざんに関わった現場の施工管理者が担当した物件が、愛知県や岐阜県、それに東京都など、9の都県の41件に上ることを公表しました。
旭化成側は22日の会見で、物件の名称などを所有者にも公表しなかったため、国土交通省は23日、旭化成側に対して、物件の所有者や工事の元請け会社には、41件に含まれるかどうかを含めて対象の物件かどうかを連絡するよう指示しました。
今回公表された物件には、マンションのほか学校や公共施設、それに病院なども含まれていて、各地の自治体は引き続き情報の確認に追われています。ただ、民間の所有する物件や、市町村が所有する物件などについては、県などほかの自治体には情報は公表されないということで、自治体の担当者からは、安全性の確認のために詳しい情報を提供するよう求める声が相次いでいます。

物件集中する愛知・岐阜・三重は

物件が集中している愛知県と岐阜県、それに三重県の各自治体は対応に追われました。今回の問題ではデータの改ざんに関わった現場の施工管理者が担当した41の物件のうち、愛知県と岐阜県、それに三重県で合わせて34件に上っています。
愛知県は23日午前に記者会見を開き、過去に県が工事を発注した公共施設の記録を調べた結果、旭化成建材がくい打ちの工事を請け負った施設が1件あることが分かったと発表しました。県は、物件の詳細を明らかにしていませんが、建物の傾きなどの不具合は発生していないということです。
このほか、愛知県豊田市と稲沢市では、調査の結果、市内の小学校で旭化成建材が横浜市のマンションと同じ工法でくい打ちの工事を請け負っていたことが分かりました。このうち、稲沢市の小学校は、データの改ざんに関わった施工管理者が担当した物件ではないことが確認できたとしています。
また岐阜県は、過去10年に県が工事を発注した公共施設を調べたところ、該当する物件はなかったということです。
さらに三重県も、これまでの調査では県の施設に該当する物件はなかったとしています。三重県は22日と23日朝の2回、会社側に電話で情報の提供を求めましたが、「国と相談して検討したい」という回答があっただけで、まだ具体的な情報は得られていないということです。このため三重県の鈴木知事は、旭化成建材が請け負った三重県内のすべての物件について、詳細な情報を報告するよう会社側に文書で要請しています。

石川県でも物件の特定急ぐ

改ざんに関わった施工管理者が担当した物件の中に、石川県内の「医療・福祉施設」が1件含まれていたことが明らかになりました。この1件は「医療・福祉施設」とされていますが、会社側は施設の名前や場所などの情報を公表していません。
石川県は、22日から旭化成建材に対して情報の提供を求めていますが、これまでに返答はなく、施設の特定はできていないということです。このため23日は、石川県の土木部の担当職員が過去に県が発注した公共施設の工事の資料を調べ直すなどしています。これまでに30件ほど調べた中では、旭化成建材が関わった物件は見つかっていないということで、石川県は調査を続けるとともに旭化成建材に対し情報を提供するよう強く求めていくことにしています。
石川県営繕課の中川孝之担当課長は「県としては、資料のある工事はすべて調べて実態の把握に努めたい」と話しています。

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