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放送大学“問題不適切”で削除

10月20日 18時20分

放送大学の客員教授が、単位認定試験の問題文に「現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある」などと記し、大学側が「公平性を欠き不適切だ」などとして、その後、学内のオンライン上に試験問題を公開する際に、文章を一部削除していたことがわかりました。
出題をしたのは、テレビなどを通じて大学の教育課程を学ぶ「放送大学」で、日本美術史の講義を担当する佐藤康宏客員教授です。
佐藤客員教授は、ことし7月に行われた日本美術史の単位認定試験で、戦前・戦時中に国に弾圧されたり、軍に協力したりした画家に関する問題文の冒頭に「現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある」などと記しました。
これについて、放送大学は、放送法に照らして「公平性を欠き不適切だ」などとして、その後、学内のオンライン上に試験問題を公開する際に文章の一部を削除しました。
大学側の措置に対して、佐藤客員教授は「自らの著作物である試験問題の一部を同意を得ずに削除されたことは遺憾だ」として、今年度限りで辞任すると申し出て大学側も了承しました。
その結果、平成31年度まで担当することになっていた日本美術史の講義も、今年度限りで終了することになりました。
佐藤客員教授は、「学生には、戦前・戦中の美術について自分自身のことにひきつけて考えてほしくて文章を入れた。大学側の対応は批判がくることをおそれた過剰防衛ではないか」と話しています。
一方、放送大学は、「意見が対立する問題について一方的な見解を伝えるのは、放送法上不適切だと判断しただけで、政権批判をしたから削除したわけではない」としています。

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