伊藤和行、久保田一道
2015年10月20日05時17分
政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)による迂回(うかい)寄付事件で、東京地検特捜部は20日、逮捕した元会長ら3人を政治資金規正法違反の罪で起訴する見通しだ。日歯連は迂回した資金を国会議員の選挙支援に使っており、特捜部はこの点を悪質とみている模様だ。
同法は、政治団体の役職員らが寄付の量的制限に違反した場合、団体についても罰金刑を科せると定めている。特捜部は、組織としての日歯連についても起訴するとみられる。
石井みどり参院議員(自民)を支援した2013年の参院選に向け、日歯連は総額約4億円を支出した。この資金の中で「石井みどり中央後援会」が受け取った寄付は、計1億4千万円。特捜部はうち5千万円が迂回寄付だったとみて解明を進めてきた。
日歯連関係者などによると、選挙に向けて後援会は支援者名簿の獲得に力を入れ、全国の会員に対し、1人あたり5人以上の支援者を集めるよう依頼。名前や住所、電話番号が書かれた名簿は、会員数の10倍を超える55万7千人分が集まった。その名簿データ化費用などに、2千万円近くが使われたという。
また、後援会は全国の歯科医院などに貼ってもらう約400万枚にのぼるポスターやビラなども作製。印刷代として、約3450万円を支出した。石井議員が全国で遊説するための旅費も支出した。
一方、日歯連は各都道府県の連盟に対しても、総額2億1500万円の資金を配っていた。
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朝日新聞社会部
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