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巨人軍・次期監督候補の「ホテルで男女4P」写真流出から考える、「サッカートライブ」ならぬ「ベースボールトライブ」の姿

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赤坂沙世

(中国のファッションウィーク中のインタビューで、他の芸能人のスキャンダルについて意見を求められて困惑中の沙世)

『巨人の高橋由伸選手と、当時のチームメイトの矢野謙次選手が、ホテルの密室で男女4人でじゃれあっていたそうですが(「週刊文春」2015年9月10日号/文藝春秋)、この件についてどう思いますか』

赤坂 ユニコ 菜生の回答

 さて、今日は、ワイドショーの司会者がコメンテーターにするような質問が、寄せられました(笑)。

 この質問を受けて、まず頭に浮かんだのは、イギリスの動物学者、デズモンド・モリスが1987年に書いた、『サッカートライブ』(原題 The Soccer Tribe)です。

 モリスは、サッカーチームのメンバーの行動が、以前に部族集団を調査した時に遭遇した行動と似ていることに衝撃を受けました。そして、『サッカートライブ』という本を出版しました。

 モリスは、サッカーチームにおいても、部族集団においても、「集団内の均一化と共有」に重きを置いている点が共通して特に目立つとの観察結果を提示しました。「(メンバー間で)共有されているものは特別で、個人的なものよりも良いものだ」というモットーがそこにあるのではないか、としています。

「シェアは、セックスにまで及ぶ。チームの誰かがセックスをうまくやったら、その人物は、チームメイトが自分に続いて同じ女性を相手にセックスをしても、独占欲に駆られるどころか、逆に大いに喜ぶ。こうした嫉妬心の欠如は、ピッチでも、ピッチを離れても、チームメイトの間で利己主義がどこまで抑制されているのかを量る物差しになる。チームメイトが見ている前でセックスすることも、よくあることだ」

 そういえば2010年に、サッカーのフランス代表選手、リベリ、ベンゼマ、ゴヴが、ザヒアドゥハールというアルジェリア出身の売春婦と、共に関係を持っていましたね。

 こうした共有は、多くの狩猟採集社会の部族においても行われています。狩猟採集社会ではない、我々の住む高度に発達した文明化社会でも、プロのアスリート、ミュージシャン、政治家や社長たちの間でもよくみられることです。互いに重なり合い、交差し合う性的関係が集団内の結束を強いものにし、不確かな世界で安全を確保することになるからです。

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