韓国で全国的に干ばつが続く中、気象関係者たちは「少なくとも来年春(3-5月)までは干ばつが続く見通しだ」と話した。とりわけ、来年の雨期(6-8月)にも今年のような雨不足となる可能性があるため、最悪の状況に備えた総合的な干ばつ対策を早急に打ち出すべきだと指摘した。
干ばつ問題を専門とする釜慶大学のピョン・ヒリョン教授は「韓国の降水量は通常、6-8月に集中しているため、ダムの貯水量が9月末に最高値に達した後、翌年6月初めに最低値に達するのが一般的だ。10-12月は基本的に降水量が多い時期ではないため、雨が降っても干ばつを実質的に解消する上で大きなプラスにはならない」と指摘した。実際、韓国の主な地域の10月から翌年5月までの平年(1981-2010年の平均)の降水量を見ると、6月から9月までの平年の降水量の半分程度にすぎないのが実情だ。来年の雨期が始まる6月までの8カ月間、平年並みの雨が降ったとしても、干ばつを解消するには不十分というわけだ。
中部地方(軍事境界線以南の韓国統治範囲の北部)で今回発生している干ばつは、2年連続で台風の影響がなかったことが直接的な原因として挙げられる。気象庁のキム・ヨンジン気象通報官は「毎年2-3個の台風が韓国に直接的な影響を与えるのが普通だが、昨年と今年は、台風の影響でまとまった雨が降ったのは済州島と南海(東シナ海)沿岸の一部地域に限られた」と話した。今回の干ばつの原因が「エルニーニョ現象」だと主張する声も出ているが、気象庁は「エルニーニョ現象による間接的な影響はあっても、今回の干ばつの直接的な原因だと考えるのは無理がある」との見解を示している。エルニーニョ現象は、南米の太平洋沿岸から中部太平洋にかけての赤道付近の海水面の温度が平年より0.4度以上高くなる状態が6カ月以上続く減少で、世界各地で異常気象を引き起こすことが知られている。気象庁の関係者は「過去のエルニーニョ現象発生時には、韓国ではひどい干ばつも発生したが、一方で大量の雨が降ったこともあるため、今回の干ばつをエルニーニョ現象の影響と断定するのは無理がある」と指摘した。