マンション傾斜問題 資料に「あとになってわかるクオリティー」

10/20 00:40
神奈川・横浜市の大型マンションの施工不良問題で、19日から、くいが強固な地盤に届いているかを確認する調査が始まった。
FNNが入手した、問題のマンションの工事の進捗(しんちょく)状況についての報告書。
この中には、「あとになってわかるクオリティー」と書かれている。
この言葉を信用して、マンションを購入した住民の信頼は、今回の問題で崩れたことになる。
横浜市の大型マンションが、施工不良で傾いた問題で、19日、現場のマンションでは、建物を支えるくいが、「支持層」と呼ばれる強固な地盤に届いているかどうか、まだ確認されていない建物の北側で、調査が始まった。
そんな中、傾いた建物に住む入居者が、部屋を見せてくれた。
マンションの住民は「本来でしたら、ここがきっちり閉まるようになっているんですけども。今、下の方に行くにしたがって、隙間が出てきてしまって、ぴったり閉まらないような形に」と話した。
閉まらない扉。
さらに、マンションの住民は「壁にひびが入ってる部分が、そうなのか、ただ、それはわからないんです。それが1カ所だけ」と話した。
これらは、一連の施工不良と関係したものなのか。
マンションの住民は「『それは震災の影響らしいです』という話だったので。ただ、実際のところはわからないんですけど。大手のところだし、これだけの大きいものなので、そんな心配はしていなかったんですけど」と話した。
2006年に、マンション購入者向けに作られた、工事の進捗状況の報告書。
この報告書を見てみると、「あとになってわかるクオリティー」と書かれている。
あとになって施工不良が見つかった今となっては、悪い冗談としか思えない見出し。
データの改ざんが見つかった、基礎部分の工事については、「支持基盤がどれくらいの深さに位置するのかを確認し、くいが支持地盤の中に貫入(かんにゅう)するように工事を行います」と書かれていた。
最も重視する品質管理として、多くの写真を使い、くいの工事の様子を紹介。
さらに、これとは別の三井不動産などが作成したパンフレットには、「見えない部分にこそ、高い信頼性」と、基礎部分を重視していることを強調。
マンションの住民は、「(パンフレットには『高い信頼性』と?)だまされた感じはありますね」、「信用して買ったのに、結局、書いてあることとは全然違うことが書いてあって。だからもう、何て言ったらいいかわからないぐらい、憤りを感じて」と話した。
裏切られた住民の信頼。
今回のような、大手であっても起こるトラブル。
人生で最も大きな買い物をする前に、せめて入居する前に防ぐことはできないのか。
マンション売買のプロ、株式会社ハウスマートの針山昌幸社長は「マンションの広告を確認していただく際に、物件概要におきまして、完成時期と入居時期の間が、しっかりと時間が取れているかというところを確認する点があります。入居日までの期間が短い場合は、何かしらの問題を発見するための調査に、十分な時間をかけられなかったり、万が一、発見したとしても、それを問題として報告しづらいというような状況になってしまいます」と話した。
国土交通省は、三井住友建設や旭化成建材などを、建設業法違反の疑いがあるとみて調査に乗り出し、悪質と判断した場合は、処分も検討する。

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