・たくさんの人が読んでくれているのは、
重々承知で感謝もしているけれど、
ときには、ほんとに数少ない人に向けて書くこともある。
いまの『スポーツ報知』、かつての『報知新聞』には、
「激ペンです」というコラムがあった。
もともと「報知」という新聞には、
公正中立など求められてはいなかったけれど、
この「激ペン」の書き手である白取晋さんは、
あきれるほど格別に偏っていた。
ただただ巨人(野球)愛だけを動機にしていたので、
激しく辛口な叱咤激励もよくあったが、
選手や監督などにも好かれていた。
酒の好きな人で、顔は酒焼けでいつも赤かった。
ひと目でわかるくらいの照れ屋だったけれど、
たがいに視線を合わせないままでも、
十分に楽しくファン同士としての話はできた。
新聞としては書きづらいようなことを、
「激ペン」という役を演じている白取さんが、
ズバッと書くのだけれど、それは、ただの辛口でない。
罵倒さえもおもしろおかしくする芸があった。
その芸の奥にあったのは、視線の自然さだったと思う。
さんざん泣いたり怒ったりしながらも、
書いているじぶん自身をも「おまえもダメダメ」と
自嘲しつつお尻ペンペンしているのが感じられた。
『スポーツ報知』の記者の方々に会うと、
「白取さんに憧れて報知に入った」という人もよくいた。
残念ながら、白取晋さんはすでに他界している。
なぜかぼくもお葬式に参列したが、
そこでは敬愛する藤田元司さんにもお会いした。
どちらも、もう、この世にはいない。
激ペンさんのことを書きたくなって、享年を調べたら、
なんと53歳の若さだった。
ぼくは、とっくに白取さんの年齢を超えていた。
今年の巨人は、ほんとうに弱くなっていた。
そのことが、ひとついいことにつながるかもしれない。
次の「激ペン」が生まれそうな気配がある。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ただ、そんなことが書きたいと思って、書いてしまった日。
重々承知で感謝もしているけれど、
ときには、ほんとに数少ない人に向けて書くこともある。
いまの『スポーツ報知』、かつての『報知新聞』には、
「激ペンです」というコラムがあった。
もともと「報知」という新聞には、
公正中立など求められてはいなかったけれど、
この「激ペン」の書き手である白取晋さんは、
あきれるほど格別に偏っていた。
ただただ巨人(野球)愛だけを動機にしていたので、
激しく辛口な叱咤激励もよくあったが、
選手や監督などにも好かれていた。
酒の好きな人で、顔は酒焼けでいつも赤かった。
ひと目でわかるくらいの照れ屋だったけれど、
たがいに視線を合わせないままでも、
十分に楽しくファン同士としての話はできた。
新聞としては書きづらいようなことを、
「激ペン」という役を演じている白取さんが、
ズバッと書くのだけれど、それは、ただの辛口でない。
罵倒さえもおもしろおかしくする芸があった。
その芸の奥にあったのは、視線の自然さだったと思う。
さんざん泣いたり怒ったりしながらも、
書いているじぶん自身をも「おまえもダメダメ」と
自嘲しつつお尻ペンペンしているのが感じられた。
『スポーツ報知』の記者の方々に会うと、
「白取さんに憧れて報知に入った」という人もよくいた。
残念ながら、白取晋さんはすでに他界している。
なぜかぼくもお葬式に参列したが、
そこでは敬愛する藤田元司さんにもお会いした。
どちらも、もう、この世にはいない。
激ペンさんのことを書きたくなって、享年を調べたら、
なんと53歳の若さだった。
ぼくは、とっくに白取さんの年齢を超えていた。
今年の巨人は、ほんとうに弱くなっていた。
そのことが、ひとついいことにつながるかもしれない。
次の「激ペン」が生まれそうな気配がある。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ただ、そんなことが書きたいと思って、書いてしまった日。
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