さいたま市議会は9月定例会最終日の16日、市民活動サポートセンター(同市浦和区)について、指定管理者のNPO法人による運営を当面停止し、市の直営とする条例改正案(議員提案)を自民、公明と無所属の吉田一郎議員(北区)の賛成多数で可決した。民主改革と共産、無所属の川村準議員(南区)は反対。センターは条例施行の来年4月1日から市直営となる。
議案はセンターを優先利用できる登録団体の一部が、施設を政治活動に使っているとして、自民の青羽健仁議員(浦和区)と江原大輔議員(岩槻区)が提出者となって提案。登録団体が特定非営利活動促進法や同市の市民活動推進条例で定めた市民活動の範囲を逸脱した政治活動で施設を使うことを防ぐ管理基準などを市が定めるまで、運営を指定管理者に委託できる条例の規定を付則で停止した。
清水勇人市長は閉会後「基準を作るのは難しいところもあるが、これから検討したい」と発言。センターの特徴ともなっていた市民と行政の協働方式が継続できなくなるが、同市長は「基本的な方向性は否定されておらず、条例の精神を踏まえてやっていく」と述べた。
センターの登録団体を含む5市民団体は同日、条例改正は憲法で保障された思想、信条の自由や表現の自由の規制につながる恐れがあるとして抗議の声明を出した。