あの名画を贅沢な空間で!「建仁寺」は京都最古の禅寺 | 京都府

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あの名画を贅沢な空間で!「建仁寺」は京都最古の禅寺

あの名画を贅沢な空間で!「建仁寺」は京都最古の禅寺

記事作成日:2015/10/19 18:04 │ 最終更新日:2015/10/19 18:30

万葉 りえのプロフィール写真 Travel.jpナビゲーター 万葉 りえ アマチュア写真家

京都の四条通あたりは有名店の抹茶パフェを食べようと人々が長い列を作っていることも珍しくありません。その四条通から少し南に行った建仁寺は、日本に茶を伝えた栄西禅寺が開山した寺。もし栄西禅寺が宋から茶種を持って帰らなければ、抹茶パフェは誕生しなかったはず。
そして建仁寺で忘れてはいけないのが、あの名画です!国宝級の絵画となると博物館などで見ることが当たり前なのにここでは間近で鑑賞。そのわけは・・・

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国宝級絵画が撮影できる!?

写真:万葉 りえ / 地図を見る

建仁寺と聞いて、「どこかで聞いたことがあるような…」という方も多いのではないでしょうか。京都には有名寺社がたくさんあるのでそう思われても仕方がないのかもしれません。
しかし、誰かに京都のどこへ行ってきたのかと尋ねられて、「建仁寺」と答えたら、「京都通」と思われることでしょう。

作者や正式な名前は知らなくても、この寺が所蔵する絵画はきっとどこかで目にしているはずなんです。襖(ふすま)数枚にわたって描かれた巨大な龍をはじめとして、重要文化財や国宝級の絵画を建仁寺はたくさん所蔵しています。
「国宝級の絵画を撮影してもいいのか…?」と思われたのではないでしょうか。建仁寺では法堂(はっとう)の巨大な天井画も含めて、襖絵なども、その絵画があるべき場所で鑑賞できるだけでなくすべて撮影OKなんです。

栄西禅寺800年記念事業

写真:万葉 りえ / 地図を見る

建仁寺を開山した栄西禅寺は、比叡山で天台密教をおさめた後、二度も宋へ渡って学び日本へ禅をつたえた僧です。この寺ができたのは1202年。「建仁」という年号から寺の名前がついています。

国宝級の絵画は博物館や美術館で見るというのが普通ですが、建仁寺では襖絵は襖絵として、広い庭に面して開け放たれた場所で桃山時代と変わらぬ様子のまま見ることができます。
そんなことが可能となったのは、栄西禅寺の800年記念事業の一つとして重要文化財などの絵画が高精細デジタル複製されたからこそ。
紫外線や埃などの劣化を心配することなく、現代でも同じように落ちついた和の空間で絵と対峙することができるのです。

そんな襖絵がはめ込まれた建物、方丈の前に広がるのが、「大雄苑(だいおうえん)」と称される枯山水の庭。白砂の向こうに岩と緑が作りだす世界は多くの人を大河や大海原を見ている心地にさせてくれるようで、日本人だけでなく海外からいらした方もこの庭の前だとゆっくりと過ごしてしまうようです。

ユーモラスな神様を主役に抜擢!

写真:万葉 りえ / 地図を見る

日本美術史の中でも大きくとり上げられる「風神雷神図屏風」。
俵屋宗達(たわらやそうたつ)が描いたこの絵は「琳派(りんぱ)」の象徴ともいわれていて、方丈に入ると、真っ先に人々を出迎えてくれます。近くで鑑賞できるので、ぜひしっかりと見ていってください。

作者の俵屋宗達の生涯については詳しいことがわかっていないのですが、町の絵師として扇面などに絵を描いていたようです。やがて本阿弥光悦とコラボ作品を作るなどだんだんと名を挙げ、京都を代表する寺院の襖絵なども手掛けるようになっていきました。茶会を開いたという記録が残っているところからすると、裕福な町人だったようです。

この宗達さん、これまでの流れにとらわれない方だったようで、作品はオリジナリティにあふれています。「風神雷神図屏風」にしても、それまでは六曲が一般的だった屏風の形を、二曲一双(二曲の屏風を二つ合わせて一組とする)に変えただけでなく、ずっと脇役でしかなかった風神さんと雷神さんを堂々の主役に抜擢!

この絵が後の時代に、尾形光琳に衝撃を与え、酒井抱一へも模写されて琳派を代表する絵画になるなんて、宗達さんもビックリでしょうね。

天から見守る巨大な龍

写真:万葉 りえ / 地図を見る

天井に描かれた龍の図はほかのお寺にもあるのですが、ふつうは1匹となっています。しかし、建仁寺の法堂(はっとう)に描かれているのは二匹の龍。口を開いたものと閉じたものと「阿吽(あうん)」の姿になっています。

この龍は平成に入ってから描かれたものですが、昔からここに住んでいたかのように法堂の建物に溶け込んでいます。
法堂が大きいので見上げても龍の大きさがぴんとこないかもしれませんが、描かれているのは畳108枚分もの広さ。この大きさなので、制作には北海道の廃校になった小学校の体育館を使用したそうですよ。

龍は「水をつかさどる神」といわれています。この寺を、そして人々を、まるで天から見守っているようですね。

他にも見どころがたくさん

方丈の北側には、豊臣秀吉が北野大茶会を催した折、利休の高弟が担当した副席で使われたといわれている茶室「東陽坊」があります。木立に囲まれた静かな茶室で、当時どんな会話が交わされたのでしょうね。
周りに紅葉が植え込まれた四方正面の禅庭「潮音庭」も、他では見ることができない造り。同じ庭でも見る方向によって違う面が見えてくるのは、禅の教えとつながっているのかもしれません。秋は苔の上に色づいた紅葉が映え、華やかな一面も見せてくれます。

建物と、庭と、日本美術をまとまって観賞でき、しかもおおらかな空気で人々を包んでくれる建仁寺。
京都の中心である四条河原町からも歩ける距離なので、旅の予定に加えてほしい名寺です。

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掲載内容は執筆時点のものです。

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