ソーラーフロンティア:パネルのコスト削減へ-製造工程を見直し
2015/10/19 14:51 JST
(ブルームバーグ):昭和シェル石油子会社で太陽電池を製造・ 販売しているソーラーフロンティアは、2015年に稼働を開始した宮城県の東北工場の工程を効率化することで、製造コストを2年以内に約2割削減することを目指している。
同社の平野敦彦社長はブルームバーグのインタビューで、ワット当たりの製造コストを現在の50セント強から約40セントに減らす考えを明らかにした。減価償却費を含めなければ30セントまで削減可能だという。17年中には実際にコスト削減の成果を出せる見通しだと述べた。
同氏は「ここまで行けば今後さらなる平均販売価格の下落があったとしても基礎体力として十分に戦える技術」との考えを明らかにした。国内外で太陽光パネルの価格が下落する中で低い生産コストがソーラーフロンティアの強みだとし、同社の薄膜型太陽電池は結晶シリコン型に比べて「成熟しきってないがゆえに伸びしろがある」と話した。
ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスのデータによると、中国の主要な太陽光電池メーカーのコストはワット当たり42-49セントに達しており、これらのメーカーの製品の平均販売価格は同58-60セントとなっている。
東北工場は年間生産能力が150メガワットと、宮崎県の国富工場(年産900メガワット)と比較して規模が小さい。平野氏によると、製造ラインがコンパクトなために設備投資額は少なく減価償却費が抑制されるために4-5セント程度のコストの削減が可能だという。さらにモジュールの構造を変えることで4-5セント、生産にかかる時間を従来の24時間程度から8時間程度まで短縮することで3-4セント削減できるとしている。
原題:Solar Frontier Eyes Lower Panel Costs With Production Overhaul(抜粋)
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更新日時: 2015/10/19 14:51 JST