pairs・Retty・ FRIL・ freeeが語る!今後、生き残れるデザイナーの条件とは?

pairs・Retty・ FRIL・ freeeが語る!今後、生き残れるデザイナーの条件とは?

カテゴリサービス開発

どうも、ニシカワです。秋ですね。
外はうすら寒くなってきましたが、熱い議論が好評だった「pairs・Retty・ FRIL・ freeeが語る!人気サービスのデザイナーはどうやって生まれているのか?」の後編をお届けします。

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UI/UXデザイナー
加田 早苗

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UXディレクター
関口 聡介

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リードデザイナー
原 貴範

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取締役 兼 デザイナー
竹渓 潤

デザイナーを適正に評価することはできるのか?

デザイナーの評価ってみなさんどのようにされていますか?
関口
デザイナーって評価が難しいのでデザイナーという職種での評価基準は明確にしづらいですね。エンジニアも同じですが。
自分がどのくらいまで何をすれば組織にインパクトが出せるのか、はっきりさせるのが難しい職種ですよね。
加田
受託だと、納期が決まっていて、受注金額も決まっているので、例えば捌いた案件数で評価、ということも比較的やりやすいですが、自社サービスは、売り上げ貢献度がデザインの力なのかどうか可視化するのが難しいかもしれないですね。
竹渓
成果に関して言えば、チームの目標数値を達成したかどうかしかなく、スキル面の評価はグレード制にするしかないのかな、と思います。
デザイナーの評価って、どうしても主観的になりがちで、客観性が薄くなりがちですよね。ある人が見るとダメだけど、違う人から見ると良いとか。 だからデザインスキルがどれだけるかよりも、事業に対してどれだけコミットし、結果を出せたかに結びつくのではと思っています。
関口
完璧な評価というのはできない前提で、話を進めていったほうがいいと思います。

競合のデザインはどこまで気にするべき?

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ちなみに、みなさん、競合サービスのデザイン研究はどんな感じでやっていますか?
関口
僕たちはあまり同じコンセプトのサービスはないと思っていて、参考にしていないですね。UXという意味では例えば海外の xero や QuickBooks など、思想が先進的なサービスはビジュアル面も研究しています。
うちも競合でいうと、ビジュアル面はあまり参考にしていないですが、ユーザー導線の設計はチェックします。その導線や施策って、なんでやっているんだろう?うちは必要か?などを考えるようにしています。
ビジュアル・UI/UXの全体的な面でいえば、全然違うサービスを研究します。
例えば、pairsのマイページを再設計するときは、FacebookやLINEなどコミュニケーションアプリを研究したり、検索結果の表示部分などECサイトなど閲覧系UIを研究するようにしています。
竹渓
うちは最初に機能をリサーチするときに競合デザインを見ます。そこをスタートラインとして、0ベースで考えています。
もともとうちがフリマアプリでは一番最初で、みんなFRILを参考にしているんですよね。でも、競合デザインを気にしすぎると、どのアプリも似通ってしまうじゃないですか。真似していくと独自性がなくなり、サービスとしても魅力的ではなくなるというか差別化が難しくなりますよね。 だから、例えば競合のデザインが良いなあと思っても、そのまま真似るということに関しては本当に慎重です。
加田
競合のアプリやwebなどは常にチェックしています。有料サービスがある場合も出来る限り加入するように、新しい機能が出たら知らせ合っています。
ただ、競合アプリとは世界観がそもそもまったく違うものなので、検索しやすさなどは参考にする場合もありますが、そのまま持ってくるということはないですね。
うちも、競合というより、音楽系サービス、CGM系などを参考にしています。実は、pairsも参考にさせていただいています(笑)。
おお!ありがとうございます(笑)

兎にも角にもユーザーファースト

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自社サービスデザインをする上で一番大事にしていることは何ですか?
pairsはとにかく「安心・安全」を一番大事にしています。どうしても「出会い系サービス」と勘違いされがちなので、デザインの力でそれを払拭すべくこだわっています。
例えば、今、pairsのメインカラーはティファニーブルーにしているんですが、
昔はピンクがメインカラーでした。ピンクは、甘く恋愛感は出るけど安心さやクリーンさが出ないんですよね、どうしても。
なので、2年ぐらい前に結婚をクリーンにイメージできるカラーは何かを考え、ティファニーブルーをメインカラーに決め、デザインフルリニューアルしました。 あとは、人柄がより伝わるデザインにしています。昔は1画面に多くの顔写真が並ぶUIでしたが、これではただ顔で選ぶだけの出会い系と変わりませんでした。
そこから、1画面に表示される顔写真数を減らしたり、つぶやきなどをつけることによって、1人ひとりにフォーカスして人柄が伝わるようなデザインに変更しました。 今後もユーザーさんに、より「安心・安全」と感じてもらえるよう、改善をしていきたいですね。
加田
Rettyは、大事にしていることが3つあります。

1つ目は「ユーザーさんのことを常に考える」。
当たり前なんですが、数字はもちろん大事です。でも、数字を意識しすぎると、「ユーザーさんにとってhappyなのか?」というのがわからなくなる。なので、常に、立ち止まってユーザーさん のことを必ず考える。

2つ目は、「最小のコストで最大の効果を出す」。 デザインの力で解決できることって、実はものすごく多いと思うんです。 UIを変更することで、UXが向上して数字にも現れる事は多いですね。

3つ目は「過去の正解に執着しないこと」。
例えば、過去に経験した正解パターンがあったとしても、そこにプラスアルファで乗っけても、綺麗なストーリーにならないことが多い。過去の正解の経験を捨てて、急がば回れ、を常に重視しています。
竹渓
僕たちは、「思い込みで作らない」を一番重要視しています。ユーザーの中から答えを見つけるというか。
もともとFRILは、男性4人で作り始めたんですよ!女性向けサービスなのに(笑)。
ターゲットユーザーの生態についても分からないし、どういうデザインが良いのかも全く分からなかったので、ユーザーインタビューをひたすら繰り返しました。
プロトタイプの段階からユーザーに見せていたんですが、自分たちが良いと思うデザインはことごとく否定されたんですよ(笑)。 その時から、「自分たちのデザインを信頼してはいけない」と思うようになりました。
今は、CS(カスタマーサポート)チームが40名いるんですが、全員もともとFRILのユーザーなんです。だから、毎回機能を考える度に、ユーザーテストが社内でできるんです。
ただ、時間が経つに連れ、ヘビーユーザーばっかりになっていくので、初心者ユーザーに対してテストできないというのが現在の課題です。
関口
うちもCSはかなり大きなチームなので、ユーザーからのダイレクトな意見やCSの方々がユーザーとやり取りをしていて日々出てくる悩みなども吸い上げるようにしています。
今でも、ダメ出しは結構来ますか?
竹渓
来ます。社内SNSで意見をあげる場があるので、そこに投稿してもらっています。
でも、VOC(Voice Of Customers)が直接来るのは良い環境ですね。
竹渓
僕たちは、女性の心理が全然分からなかったらから、逆に良かったと思います。自分たちを信じなくなったんで(笑)。
確かに、それこそマーケティングですね。

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関口
freeeは「スモールビジネスに携わるすべての人が、創造的な活動にフォーカスできるよう」というのがミッションで、とにかくスモールビジネスのバックオフィス業務の全てにイノベーションを起こしたいと思っています。そうなると、ユーザーの中にあるものが必ずしも全てではない。もちろんユーザーの意見は大事にしてますが。
例えばヘンリー・フォードが言った有名な言葉で、「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう。」というのがありますが、移動は馬がメインで自動車というモノ自体がまだ存在していない時代にいくらユーザーに聞いても「車が欲しい」というユーザーは出てこなくて、「速い馬が欲しい」としか言えない。 ユーザーの意見だけで開発していては、イノベーションはなかなか起こせませんよね。 ユーザーからの意見はもちろん目を通しますが、それはあくまでも1つの要素として捉えています。ユーザーの意見の本質は何かというところは考えますが。
あとは、会計ソフトって相変わらず旧態依然としていて、「使い方は説明書を見てください」的な。でも説明されないとわからないサービスなんてダメで、説明しなくても使えることが重要。
経理の時間を圧縮して、本業にフォーカスしてもらうための会計ソフトとして、簡単に使えることにこだわっていきたいですね。

チーム編成はどんどん変わる。これがスタートアップの醍醐味

関口
皆さんの組織ではチーム編成ってどのくらいで変わります?うちは四半期ごとにかなり大きく変わります。
加田
2ヶ月おきくらいですかね。
pairsは不定期ですが、サービスの成長フェーズに合わせて、少なくとも3〜4ヶ月に1回は変わっていますね。
竹渓
エウレカさんってミッション型のチーム編成ですよね?うちもそういう風に変えました。そもそも追うべき指標とか前提条件は3ヶ月に1回変わるので、チーム再編が必要ですよね。
加田
シャッフルするメンバーって全体の中から決めます?それともあるチームの中でのみですか?
CSやインフラなど、ある程度固定になってしまうメンバーはいるものの、うちは割と全体編成をしますね。
加田
Rettyはビジネスチーム、アプリチーム、SEOチームがあるんですが、アプリ側にデザイナーがいるので、その中でシャッフルしています。

各社、デザイナーの「働きがい」とは?

自社のサービスや会社に携わることでのやりがいや、学べることを教えてください。
竹渓
うちは2つあります。
1つはデザイナー主導で進められる。デザイナーが持っている裁量が多いことです。
もう1つは、ユーザーファーストを追求できる。これはかなり大きいと思います。行動指針に「ユーザーファースト」というのがあるし、「ユーザーファースト室」という部署もあります。
また、収益モデル上、ユーザーファーストが追求しやすいんですよね。
WEBサービスの収益モデルは、広告、課金、手数料がほとんどだと思いますが、広告はユーザーファーストより広告主ファーストになりがち。 一方で手数料ビジネスは、ユーザーファーストにすればするほど、一番儲かります。
それがデザイナーにとって一番幸せな環境だと思います。

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関口
freee は、価値基準を5つ設定していて、その中でも「ユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えることをする。(通称MAJIKACHI)」というところがデザイナーにとって一番魅力的だと思います。前例や慣行にとらわれず「ユーザーにとって本質的に価値がある」ものを発明できる楽しみ。それができる環境なので、デザイナーも幸せだと思います。
加田
Rettyは、デザイナーの業務範囲が「ここからここまで」と明確に決まっていないので、自分の成長の幅を自分で決められます。デザイナーとして入社しても、どこまででも幅を広げてもいいんですよ、例えばデザインをやりながらエンジニア領域に踏み込んでみるとか。 あとは、「食」というものを扱っている分、ユーザーさん との距離が近いと思います。実際にユーザーさんがハッピーになった様子がサービスを通して見えるのが嬉しいですね。 オフ会も頻繁にやっていて、ユーザーさんからご意見ももらえます。あとは、食への興味がめちゃめちゃ増えますね(笑)。
pairsは、約300万人のユーザーがいて、そのユーザーに対してデザインをアウトプットして、数字としてフィードバックが返ってくる。それが本当にやりがいがありますね。
エウレカのコーポレートサイトにも載せている「Always keep users in mind.ユーザーだけを見ればいい」という言葉を常に意識しています。
あとは、経営陣がとにかくマーケティングに非常に強いんです。なので、マーケティング力はめちゃくちゃ鍛えられる。
デザイナーが仮説を出すと、その仮説がマーケッターより弱いことが多いんですが、上から「全然ダメ」と厳しい指摘をもらえるので、マーケティングもきっちり学びたい人にはすごく良い環境だと思います。
僕も、エウレカに入る前と今では、マーケティング能力が圧倒的についたと思います(笑)。
体制としてスクラムでやっていることもあり、デザイナーが自分の役割やスキルを広げられますね。自分がやりたいと思ったことができるというのが、自社サービスとスタートアップの醍醐味だと思います。

デザインしか出来ないデザイナーは、この先、生き残れない?

最後に、これからのWEB、アプリデザイナーとはどうあるべきだと思うかをお聞かせください。
加田
デザイナーの担当する領域はどんどん広がっていくと思います。マーケティング側や、エンジニア側など。
全員が全員、コーディングができる必要はないかも知れないけど、「リサーチ」と「実装」の間にある中間部分がコアなスキルになってくるんじゃないかと。
あとは、仮説を立てる力と、検証する力、基礎的な造形能力が必須になると思います。

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関口
freee はデザイナー採用の時に課題整理能力にフォーカスして見ています。デザイナーとして応募してくるからには基礎的な造形能力はあると思っていて、そこはあまり細かくは見ていません。でも課題整理力が高い人はなかなかいない。いないからこそ、そういうデザイナーは価値が高いと思います。
エウレカもfreeeさんと似ていて、「逆算思考」「因数分解」というのを社内で非常によく使うんですが、物事をゴールから逆算できる能力や、課題を細かく分解して解決する能力は、今後デザイナーにも必須のスキルになるんじゃないかと。
竹渓
因数分解は大事ですよね。自分たちのサービスでは、何が収益の柱になって、どう数字が動いているのか、というのをデザイナーも分析できるようになるべきですよね。
あと、美大卒じゃなくて、理系の優秀な学生がデザイナーになった方がいいと思う。そんなこと言っておいて、僕、大学は美術系ですけど(笑)。
加田
考える力が備わっている人は、放っておいても成長できるので、考えられるデザイナーが増えると、ビジネスはより加速するでしょうね。
ビジネスがちゃんとできる人が多いほど企業は強くなるので、デザイナーも生き残るためには「考える、分析する、課題を解決する」ということをやっていく必要があると思います。

あとがき

先日、DeNAの南場さんもUI Crunch U25で「新しいビジネスの作り方とデザインの関係」について講演されていたように、今後のネット業界のデザイナーの存在意義やあるべき姿というのは大きく変わり始めています。

今回の4社対談にライターとして参加して、デザインの力でサービスの成功が大きく変わるという重責であるのと同時に、やりがいのある仕事だな、と改めて思いました。

各社、本当にデザイナーが生き生きと働いているみなさんのお話を聞いて手に取るように分かりました。 あ、もちろん、エウレカもですよ。
この記事を読んで、転職してみよっかなー、と思った方!

各社の求人募集ページはこちら

・freee(http://www.freee.co.jp/designer
・Retty(http://corp.retty.me/recruit/designer/
・FRIL(https://fablic.co.jp/recruit/job/designer
・eureka(http://eure.jp/jobs/designer/

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