CSファイナルステージを全勝で突破した工藤公康監督(52)が、日本シリーズへ向けてバッテリーに自分らの目でヤクルトを研究するよう指令を下した。セ・リーグのチームとは交流戦の3試合だけ。対戦データが少ないだけに、開幕までに徹底的に相手打線の弱点を洗い出させる。
「先発と中継ぎで投手陣が集まって(映像を)見てもいいし、バッテリーと一緒にやってもいい。やり方はいくらでもある」
背景にあるのは自身の現役時代の経験だ。エースとしてソフトバンクの前身ダイエーを初の日本一に導いた1999年の日本シリーズ。当時正捕手の城島とビデオを見て中日を研究した。一緒に映像を見て対策の「答え」が出れば終了。簡単に出ない場合は、お互いが別々に映像を見て気付いたことを言い合う作業を繰り返した。
その中で「キーマン」と考えたのが、同年打率3割3分、20盗塁で中日をけん引した1番関川だった。対右投手、対左投手、見送り方や変化球への対応。30試合近い映像を確認し、出した結論は「読みを外す」ことだった。先発した初戦は4打数無安打。その後も関川は第5戦の2打席目まで19打席連続無安打と不振を極めた。
工藤監督の「眼力」は、その後の経験でさらに高くなっている。それでも「選手が自分たちで考えることが大事。彼らがどう感じてどう思うか、どうしたいかが大事。俺が野球をやるわけじゃないんだから」。ぶっちぎりのリーグV、CSのスイープ突破。頼もしい選手が「自習」で日本一へのヒントを見つけてくれると信じている。 (倉成孝史)
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