バリオスの子供が投げたボールを、おもちゃのバットで打つ柳田=ヤフオクドームで(式町要撮影)
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ソフトバンク・柳田はヤフオクドームに隣接する砂浜へ出ると、海浜公園の端から端まで約1・5キロを往復。「だいぶいいですよ。砂浜も走ったし」。福田、高田と肩で海風を切り「気持ち良かった」と汗をぬぐった。
9月末、左膝裏に死球を受け脛骨(けいこつ)を骨挫傷。不慮の首痛も重なって調整が遅れ、CSファイナルステージの直前まで走れなかった。初戦で左中間へ放り込んだが、中堅守備はぶっつけ本番。それが今では「MAX(の程度での走り)は痛いけど、今日みたいなジョグなら全然」という状態だ。
日本一を争う相手はヤクルト。リーグ優勝同士、トリプルスリー達成者在籍チーム同士の顔合わせになった。同一年2人のトリプルスリーは、2リーグ制元年の1950年、松竹の岩本義行、毎日の別当薫が達成して以来。同年の第1回日本シリーズは松竹−毎日の顔合わせで、65年ぶり2度目の“トリプルスリー対決シリーズ”となる。だが当の本人は「いや、対決しないでしょ」と素っ気ない。なるほど、相手は山田でなく投手ではある。
ただ、自覚はある。現状で最高のプレーを見せたいという思いは強い。「少しでも体を動かすと違うかと思って。試合から離れていたんで」。いつもの自然体だが、大一番を前にこれこそが頼もしい。自然体でやりとげたトリプルスリー、その姿に戻った今なら…。言葉とは裏腹に、決着はつけるつもりだ。
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