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新基準で再稼働の原発は2基に 今後の課題は
10月16日 4時54分

新基準で再稼働の原発は2基に 今後の課題は
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鹿児島県にある川内原子力発電所2号機は15日再稼働し、新しい規制基準のもとで再稼働した原発は2基となりました。新基準の審査には福井県の高浜原発と愛媛県の伊方原発が合格していますが、それぞれ課題が残されています。
川内原発2号機は、ことし8月に再稼働した1号機に続いて、15日午前およそ4年ぶりに再稼働し、15日夜11時には核分裂反応が連続する「臨界」の状態になりました。九州電力は、今月21日に2号機の発電と送電を開始することにしていて、発電用のタービンの調整作業などによっては時期が変わる可能性もあるとしています。その後、徐々に原子炉の出力を高め、来月中旬に営業運転を始める計画です。
川内原発の2基に続いて新しい規制基準の審査に合格したのは、高浜原発3号機と4号機、それに伊方原発3号機です。このうち、高浜原発について関西電力は3号機を12月下旬、4号機を来年1月中旬に再稼働させる計画を示しています。しかし、事故が起きた際の周辺の避難計画を巡っては、福井県の自治体と京都府の自治体との調整などが必要で、内閣府が支援して対応策を検討しています。また、裁判所からは再稼働を認めない仮処分の決定を受けていて、決定が覆らなければ、再稼働することはできません。
伊方原発3号機は、愛媛県議会が今月9日、再稼働を認める決議をするなど地元の同意の手続きが進んでいますが、安全対策を巡っては、原子力規制委員会による設備の詳しい設計の確認が行われている途中で、四国電力が目指す再稼働は早くて来年の春以降になるとみられます。このほかの審査を申請している全国13の原発の20基については、審査が終わる具体的なめどが立っていない状況です。
原発を再稼働することについては、NHKが今月行った世論調査で、▽「賛成」と答えた人が18%、▽「反対」が43%、▽「どちらともいえない」が33%と、反対が賛成を大きく上回る状況が続いていて、国や電力各社には、十分な説明とともに安全対策や防災対策を向上させることが求められています。

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