ニュース詳細
川内原発2号機が再稼働10月15日 11時42分
k10010270441_201510151945_201510151947.mp4
鹿児島県にある九州電力川内原子力発電所2号機は、15日午前、原子炉の起動が行われ、再稼働しました。これまでのところ、トラブルは起きておらず、今夜遅くには核分裂反応が連続する「臨界」に達する見込みです。
川内原発は、去年9月、東京電力福島第一原発の事故後につくられた新しい規制基準の審査に全国の原発で初めて合格し、1号機は、ことし8月に再稼働しました。
これに続いて、2号機も15日午前10時半、中央制御室で運転員が核分裂反応を抑える制御棒を引き抜く操作を行って原子炉を起動させ、再稼働しました。新しい規制基準のもとで国内の原発が稼働するのは、川内原発の1号機に続き2基目です。
九州電力によりますとこれまでのところ、トラブルは起きていないということで、15日午後11時ごろには、核分裂反応が連続する「臨界」と呼ばれる状態に達する見込みです。その後、九州電力は今月21日に発電と送電を開始することにしています。発電用のタービンの振動を調整するための作業などによっては時期が変わる可能性もあるとしています。
そして、徐々に原子炉の出力を高め、来月中旬に営業運転を始める計画です。川内原発2号機は、原発事故の半年後に定期検査に入って以降、運転を停止していたため、稼働するのは4年1か月ぶりで、九州電力は異常がないかを確認しながら慎重に作業を進めるとしています。
これに続いて、2号機も15日午前10時半、中央制御室で運転員が核分裂反応を抑える制御棒を引き抜く操作を行って原子炉を起動させ、再稼働しました。新しい規制基準のもとで国内の原発が稼働するのは、川内原発の1号機に続き2基目です。
九州電力によりますとこれまでのところ、トラブルは起きていないということで、15日午後11時ごろには、核分裂反応が連続する「臨界」と呼ばれる状態に達する見込みです。その後、九州電力は今月21日に発電と送電を開始することにしています。発電用のタービンの振動を調整するための作業などによっては時期が変わる可能性もあるとしています。
そして、徐々に原子炉の出力を高め、来月中旬に営業運転を始める計画です。川内原発2号機は、原発事故の半年後に定期検査に入って以降、運転を停止していたため、稼働するのは4年1か月ぶりで、九州電力は異常がないかを確認しながら慎重に作業を進めるとしています。
原発前で反対派が抗議集会
川内原子力発電所の前には、再稼働に反対するグループのメンバーなどおよそ70人が集まり、2号機の再稼働に抗議しました。参加した人たちは1人ずつマイクを持ち「福島で起きた原発事故を忘れてはならない」とか「事故の際の避難計画が十分でないまま再稼働することは許されない」などと訴えていました。そして参加者は「再稼働反対」と声を合わせてシュプレヒコールを上げていました。原発の周辺では大勢の警察官や警備員が警戒に当たり、ものものしい雰囲気となっていました。
「川内原発建設反対連絡協議会」の鳥原良子会長は「いまだに市民の多くが原発の再稼働に不安を持っています。避難の課題も解消されないまま再稼働することは絶対に許されない」と話していました。
「川内原発建設反対連絡協議会」の鳥原良子会長は「いまだに市民の多くが原発の再稼働に不安を持っています。避難の課題も解消されないまま再稼働することは絶対に許されない」と話していました。
九電社長「安全確保を最優先に」
川内原発2号機の再稼働について、九州電力の瓜生道明社長は「緊張感を持って、安全確保を最優先に今後の工程を慎重に進めます。福島第一原発のような事故は決して起こさないという固い決意の下、原発の安全性の向上と積極的な情報公開に努めてまいります。また、1号機についても安全運転に全力で努めます」とするコメントを出しました。
鹿児島県知事「安全に最大限の注意を払ってほしい」
鹿児島県の伊藤知事は記者会見で、川内原発2号機が再稼働したことへの感想を聞かれ「何もありません。従来の手続きが順調に進んでいて、今回2号機の再稼働になったということです。ものすごく時間がかかっていますけれども、
1つずつ丁寧に積み上げてきていますので、やっと2号機の再稼働までたどり着いたかなというのが、私の偽らざる印象です。九州電力には安全に最大限の注意を払って運転してほしい」と述べました。
1つずつ丁寧に積み上げてきていますので、やっと2号機の再稼働までたどり着いたかなというのが、私の偽らざる印象です。九州電力には安全に最大限の注意を払って運転してほしい」と述べました。
官房長官「新基準に適合すれば再稼働の方針」
菅官房長官は、15日午前の記者会見で「原発は安全が第一であり、原子力規制庁が起動に必要な検査を引き続き現在行っているところであり、関係者には緊張感を持って取り組んでいただきたい。原子力規制委員会によって、世界で最も厳しいと言われる水準の新規制基準に適合すると認められたものについて、その判断を尊重して再稼働していく。その政府の方針には変わりはない」と述べました。
住民避難に課題
川内原子力発電所は1号機と2号機がともに再稼働しましたが、事故に備えた住民の避難計画などを巡っては課題が指摘されています。鹿児島県は当初、1号機の再稼働前に実施するとしていた防災訓練をことし12月に行うことにしています。東京電力福島第一原発の事故のあと、川内原発の30キロ圏内にある鹿児島県内の9つの市や町は事故が起きた際の避難計画を策定しました。
しかし、原発からおよそ4キロにある薩摩川内市高江町では避難ルートに指定された県道が片側1車線の道路で、道幅が狭いところもあります。川内川の河口付近にあることから福島第一原発のような地震や津波との複合災害の場合、道路が壊れたり水につかったりして避難できなくなるおそれがあると指摘されています。鹿児島県は、避難の際の障害になりうるとして原発から30キロ圏内の道路11か所を改修することを決めていますが、すべての改修が完了するまで、7年から8年程度かかる見込みだとしています。こうした避難計画を検証する防災訓練を鹿児島県は当初、1号機の再稼働前に実施するとしていましたが、ことし12月に行うことになりました。2号機の原子炉で核燃料が溶け落ちるメルトダウンが起きたという想定で、原発での事故対応や住民の避難の訓練が行われます。このなかでは、避難計画に沿って風向きや放射線量などによって住民の避難先を割り出す県が導入した新しいシステムを活用するほか、原発に近い地域から順番に避難させる「段階的避難」の手順も確認し、課題を検証することになっています。
一方、九州電力は川内原子力発電所で事故が起きた際に、発電所の幹部らが集まって対応の指揮にあたる「免震重要棟」を新たに建設する計画ですが、当初の設計を見直す必要があり、完成時期は決まっていないとしています。代わりに「緊急時対策所」と呼ばれる施設を整備して利用することにしています。このように避難道路の整備や防災訓練、それに免震重要棟の建設などが再稼働の後になっていることを不安視する声もあることに対し、自治体や九州電力は基本的な安全対策は整備しているので、説明をして理解を得たいとしています
しかし、原発からおよそ4キロにある薩摩川内市高江町では避難ルートに指定された県道が片側1車線の道路で、道幅が狭いところもあります。川内川の河口付近にあることから福島第一原発のような地震や津波との複合災害の場合、道路が壊れたり水につかったりして避難できなくなるおそれがあると指摘されています。鹿児島県は、避難の際の障害になりうるとして原発から30キロ圏内の道路11か所を改修することを決めていますが、すべての改修が完了するまで、7年から8年程度かかる見込みだとしています。こうした避難計画を検証する防災訓練を鹿児島県は当初、1号機の再稼働前に実施するとしていましたが、ことし12月に行うことになりました。2号機の原子炉で核燃料が溶け落ちるメルトダウンが起きたという想定で、原発での事故対応や住民の避難の訓練が行われます。このなかでは、避難計画に沿って風向きや放射線量などによって住民の避難先を割り出す県が導入した新しいシステムを活用するほか、原発に近い地域から順番に避難させる「段階的避難」の手順も確認し、課題を検証することになっています。
一方、九州電力は川内原子力発電所で事故が起きた際に、発電所の幹部らが集まって対応の指揮にあたる「免震重要棟」を新たに建設する計画ですが、当初の設計を見直す必要があり、完成時期は決まっていないとしています。代わりに「緊急時対策所」と呼ばれる施設を整備して利用することにしています。このように避難道路の整備や防災訓練、それに免震重要棟の建設などが再稼働の後になっていることを不安視する声もあることに対し、自治体や九州電力は基本的な安全対策は整備しているので、説明をして理解を得たいとしています