■「身長に関する統一された見解はない」
専門家たちは「遺伝的影響が大きいといっても子どもたちの身長を伸ばす努力を怠ってはいけない」と口をそろえる。ハイキ韓医院のパク・スンチャン院長は「174センチの遺伝子を180センチの遺伝子に作り変えることは難しいが、180センチまで伸びる可能性がある子どもも栄養価が低かったり生活習慣が悪かったりすると170センチにしかならないこともある」と話す。
一方で、遺伝的要因を過大評価する必要はない、と指摘する声もある。忠南大学生物科学科の李明哲(イ・ミョンチョル)教授は「約10年にわたって平均身長の伸びが止まっているからといって今の身長が限界値なのかどうか判断できる段階ではない。身長をつかさどっている決定的な遺伝子も明らかになっていないし、どこまでを遺伝的要因と見るべきなのか統一された見解も存在しない」と話す。
実際に1800年代に165センチだったオランダ人の平均身長が200年で20センチも伸びたことについても、世界の科学界は明確な分析を出せずにいる。ノルマン人の遺伝子そのものが身長の高い遺伝子だったが栄養分が十分ではなく一歩遅れて発揮されたといった意見から、福祉水準が高いからといった主張、さらには身長の高い男性が多くの子を産んだ結果といった研究結果もある。
韓国生命工学研究院の兪香淑(ユ・ヒャンスク)博士は「塩基序列の違い一つでも大きな遺伝的変化をもたらす可能性がある。環境によって後天的に変化した性染色体が子どもに伝達される場合、韓国人の平均身長は10センチ以上高くなる可能性もある」と話した。