インタビュー:『思悼』でタイトルロール演じたユ・アイン

「米びつに閉じ込められた青春、自分の姿と同じ」

 ユ・アインは役に入り込むのではなく、自分の中から引き出すと説明した。「純粋そのもののソンジェ(ドラマ『密会』)、単に悪いヤツのチョ・テオ(映画『ベテラン』)に比べると、思悼世子は引き出しやすい」と表現した。暗く不安な青春時代の真っただ中にいるところが自分自身と非常に近いという。英祖役のソン・ガンホについては「役に入り込むだけでなく、ご自身が携わっている映画全体を見詰めるものすごい視野を持つ先輩。いろいろ学び、反省しました」と語った。

 20代最後の年を迎えるユ・アインは「一時『僕の演技にはなぜこんなに不純物が多いんだろう』と嘆いていましたが、『密会』『ベテラン』を経て、ある確信を抱くようになりました」と語った。次回作はドラマ『六竜が飛ぶ』だ。「李芳遠(イ・バンウォン)=のちの太宗=役を演じるので刺激的。俳優をやっているうちに慣れが出てきたところもあるだろうし、最初のころの気持ちはあまり覚えていません。それでも、僕を真ん中にして、ものすごい数の目の中で生きているのだから、頑張っていると思います。自分のものが何で、自分のものでないものが何かも知りたい。拍手もブーイングも幸せも挫折も」

 ユ・アインという矢は今、空の高い所を飛んでいる。どこへ行くのかは分からないそうだ。『俺たちに明日はない』でジョンデが「兄貴が知っている一番遠い未来はいつ?」と聞かれたときの返事がその答えかもしれない。「明日」。ユ・アインはまだ青春の真っただ中にいる。

朴敦圭(パク・トンギュ)記者
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