姦通罪なくなった韓国、SNSで不倫暴露続出

フェイスブックで顔や名前を公開して告発、法的には名誉毀損に該当
損害賠償訴訟に発展するケースも

姦通罪なくなった韓国、SNSで不倫暴露続出

 10月27日、30代の女性Aさんがフェイスブックに自分の夫および夫と付き合っている女子大生を告発する長文を掲載した。

 「○○○、あんたが浮気しているのが分かった日、信じられなかったし、目の前がまっ暗になった。25歳で出会って8年、結婚生活を始めて7カ月だけど、あんたはその女子大生と浮気するようになって3カ月」「バツイチとレッテルを貼られるのが悔しい」と、Aさんが夫と女子大生の実名を公開したこの書き込みには、約5万人が「いいね」を押し、約2万人が「コメント」した。そのほとんどがAさんの夫と女子大生への悪口だった。一部のネチズン(ネットユーザー)は、Aさんの夫と女子大生の個人情報を公開し、女子大生が通っている大学のホームページにアクセス。中傷罵倒を書き込んだ。女子大生は自分の個人情報が露出したことでフェイスブックのアカウントを削除した。

 最近インターネットやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で配偶者の不倫を「告発」する書き込みがたびたび見受けられるようになった。不倫した配偶者とその相手の名前、職業などを公開し、ネチズンたちがこれらの個人情報を基に非難を浴びせるといったやり方だ。今年2月、憲法裁判所による違憲決定で姦通(かんつう)罪が廃止されて以降、配偶者の不倫を処罰する法的手段が消えたことで、不倫の被害者たちがインターネットとSNSを利用して相手に直接復讐(ふくしゅう)するわけだ。

 今年4月、自称「34週目に入った妊婦」という女性が、あるポータルサイトの掲示板に「私が姙娠している間にうちの夫は他の女と関係を持ち、その女が妊娠6週目に入ったという。血が逆流するほど頭に来る」という書き込みを掲載した。この女性は、夫が婚外の女とカカオトーク(スマートフォン向け無料チャット・通話アプリ)で取り交わしたメッセージをキャプチャーし、婚外の女の名前も公開した。今年3月には自称「24歳の女子大生」が「親戚の叔母さんが叔父さんの不倫のせいで自殺した」と叔父と叔父の婚外の女が叔母に宛てて書いた「もう二度と会わない」という覚書をネット上で公開した。

 このようにネット上で不倫が暴露され個人情報が公開された当事者たちは、不倫による被害者を名誉毀損(きそん)などで告訴し、不倫による被害者は不倫した当事者に精神的被害を賠償するよう訴訟を起こすといった事態も生じている。法曹界の関係者は「たとえ不倫が事実でも、不倫の当事者の個人情報を暴露した人は名誉毀損で刑事上の罰金を支払うことになるか、民事上の損害賠償責任を負うことになる可能性が高い」と説明する。不倫による被害者も、不倫の当事者から慰謝料を受け取ることができる。法曹界では、米国のように浮気の期間に従って慰謝料を支給するという「慰謝料基準表」を作成して裁判に適用し、離婚時に財産分与する際も不倫した人がその被害者により多くの財産を与えられるよう法改正されるべきだと主張する声もある。

キム・ジョンファン記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 姦通罪なくなった韓国、SNSで不倫暴露続出

right

関連ニュース