ソウル市九老区内のマンションで管理人をしている69歳のパクさんは6日早朝、リュックサックを背負って自宅を出た。午前6時4分ごろ、仕事場のマンション近くに来た時、突然胸が締め付けられるような痛みに襲われ、その場に倒れ込んだ。
パクさんは2年前から心筋梗塞を患っていた。倒れて約6分後、同僚が発見して119番通報し、病院に搬送されたが、息を引き取った。
近くに設置されていた防犯カメラを見ると、パクさんが倒れてから同僚が発見するまでの6分間に市民6人と車3台が現場を通りかかったのにもかかわらず、誰も救助をしていなかったことが分かった。パクさんは車1台がやっと通れるほどの道路上で倒れていたが、車はパクさんを避けるように通り過ぎていた。男性1人がパクさんのそばを通り過ぎ、その直後に来た2人も何事もないかのように通過した。その反対側を女性1人がスマートフォンをのぞき込んだまま歩いていった。
これらの人々が倒れたパクさんを見ていたとしても、夜明け前だったため状況がよく分からずに通り過ぎていった可能性もある。出勤中で道を急いでいたため、パクさんに気付かなかったのかもしれない。だが、パクさんは同僚に発見されるまで6分間放置され、15分後に救急車が到着した時は既に手遅れだった。
警察関係者は「周囲の人々がもう少し注意を払っていたら助かったかも知れない」と言った。