[PR]

 意識や呼吸がない人を助ける心肺蘇生法の新たな指針を、救急医学の関連学会など25団体でつくる日本蘇生協議会が16日、発表した。一般の人にも救命措置を呼びかけ、倒れた人が心停止状態なのか判断に迷っても、すぐに胸骨圧迫(心臓マッサージ)を始めるよう求めた。

 これまでの指針は、迷った場合の記述はなかったが、明記した。岡田和夫名誉会長は「迷う5秒、10秒のロスをなくして救命につなげたい。心臓が動いている人にしても害にはならない」と話す。

 新指針では、倒れている人を見つけたら、119番通報後、心臓マッサージを「ただちに開始する」とした。周囲に人がいれば、通報や自動体外式除細動器(AED)の手配を頼み、AEDが届いたらすぐに操作を始める。AEDを試みた後は救急隊員が到着するまで、心臓マッサージを続けるとした。AEDは心臓が動いている人に使った場合、自動的に電気ショックは不必要と判断される。

 また、119番通報した際に通信指令員に心停止の判断を相談できることや、心臓マッサージで相手の胸の骨が折れるなどしても法的な責任は基本的に問われないことを記した。

 協議会は5年ごとに指針を改定。ウェブサイト(http://jrc.umin.ac.jp/別ウインドウで開きます)に掲載している。(竹野内崇宏)