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 横浜市都筑区の大型マンションが傾いた問題で、データ偽装のあった杭が計70本にのぼり、いずれも同じ現場責任者が関わっていたことが分かった。業者側の住民への説明では、当初は東日本大震災の影響としながら、次々と新たな偽装が発覚。住民は怒りや不安を募らせている。

 販売元の三井不動産レジデンシャルが開いた住民説明会最終日の16日夜、杭を施工した旭化成建材の前田富弘社長が初めて出席した。説明会後、データ偽装のあった杭の担当者について「同一。実質的には2人だが、改ざんしたのはほぼ1人と思っている」と述べた。

 旭化成などによると、施工記録に不備があった杭は、強固な支持層に到達したかを記録するデータが偽装された3棟計38本と、杭の先端部を地盤に固定するためのセメント量のデータが偽装された3棟計45本。一部重複し、計70本で偽装があった。

 前田社長によると、70本の杭打ちに関わったのは、オペレーターと呼ばれる機械の運転手と、社員で「現場代理人」と呼ばれる責任者。旭化成側が責任者に20時間以上、聴いたところ、本来は毎日整理し、元請けのゼネコンに提出するデータについて「途中からルーズになった。データを記録する機械のスイッチを入れ忘れるなどしたため、完成後、最終的に提出する段階で、データを流用した」と話したという。インフルエンザで休んだ時のデータなどがなかった。