続いて、陸・海・空自機が空を飛んだ。P3哨戒機が対潜爆弾を上空から投下すると、観閲艦隊に乗っていた観客は拍手して熱狂した。60-70代が多かった。右翼も、軍事マニアもいたが、遊びに来た「普通の日本人」の方がはるかに多かった。この人々にとっては、海の上で散歩を楽しみ、ついでに「強い日本」のプライドまで感じることができるイベントだった。航空自衛隊の練習機6機からなるチームが空にハートを描くと、70代の女性たちが満足そうな顔で「これが一番いい」「わたしも、わたしも」と手を叩いた。
艦艇の種類を示す名称は、日本語よりも英語の方が率直だった。たとえば韓国人は、「むらさめ」「くらま」といった船を「駆逐艦」と呼ぶが、防衛省の広報資料には「護衛艦」と記載された。英語では、Destroyer(駆逐艦)だ。スピードが速く、短距離攻撃に長け、正規の戦闘では高速で波をかきわけ主力艦を守る船を意味する。海上自衛隊は、こうした船を26隻保有している。また、これとは別に、「いずも」のように甲板からヘリを飛ばせる「ヘリコプター駆逐艦(ヘリコプター搭載護衛艦)」も4隻ある。しかし、軍事大国・中国をけん制するためにはこの程度では足りないと、艦艇の増強を継続し、23年までにイージス艦を5隻から8隻に増やす計画もある。
韓国海軍は今回、02年以来13年ぶりに観艦式に参加した。観艦式に参加した海外の艦隊は、オーストラリアの軍艦を先頭に、フランス・インド・韓国の軍艦が続き、一番後から米国の軍艦がやって来た。米豪日が力を合わせて中国をけん制する中、韓国が悩んでいる様子を、一目で示しているようだった。米国は既に日本をアジア防衛のパートナーに選び、日本はオーストラリアと軍事協力を強化している。外交関係者は「この構図の中で、『米国とも同盟しつつ、中国とも同盟する国』は存在し得ない。『米国とだけ協力し、日本とは協力しない安全保障』も同様」と語った。
15日朝、横須賀港には米国の原子力空母「ロナルド・レーガン」が停泊していた。日本の艦隊と韓国海軍の駆逐艦「大祚栄」が相模湾に向けて出港した後、空母「ロナルド・レーガン」も「ボーッ」と汽笛を鳴らし、16日に韓国海軍が開催する観艦式に参加するため、東海(日本海)に向けて出発した。