【寄稿】韓米首脳会談で韓日関係改善の意志を示せ

 9月中旬、筆者は米国のシンクタンクと大学のセミナーに出席してきた。韓国に戻ってすでに3週間が過ぎたが、いまだに後味の悪さが残っている。韓国の外交に対する外部の指摘が脳裏をぐるぐると駆け巡っているからだ。韓国大統領による9月3日の中国の抗日戦争勝利70周年記念式典への出席と韓中首脳会談は、韓国メディアの目には比較的成功したものと映った。北朝鮮の特使、崔竜海(チェ・リョンヘ)氏に対する中国の待遇は中朝関係の冷え込みをうかがわせたし、また3年にわたり開かれていない韓中日首脳会談の実現に向けたきっかけもつくることができたからだ。だが、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の訪中について、ワシントンの知識人たちの見方は思ったより冷ややかだった。ある米国の学者は朴大統領の訪中について、米国にとって不穏な(disturbing)ことだと表現した。その根底にあるのは、韓国が中国に傾倒しているのではないかという懸念だった。韓国は明確なアジェンダ(課題)を持って北京を訪れたのであり、米国との同盟を離脱する考えはみじんもないと説明したにもかかわらず、米国側の出席者はあまり納得していない表情だった。米国の出席者らの疑念は「中国の習近平国家主席とは6回も首脳会談を実施しながら日本の安倍晋三首相とは会っていない」という点だけではなかった。筆者は、韓国の中国傾倒論を広めているのは日本人だと思っていたが、米国の参加者の一人が「今後、韓国は中国と連携するだろう」という話を中国の学者がしていた、とそっと教えてくれた。韓国国内では、韓国が中国に傾倒しているとはあまり考えられていないが、外部の見方が冷ややかだという点は懸念するに値する。今回の韓米首脳会談で、韓米同盟こそが韓国外交の揺るぎない礎であり土台であるという事実を明確に示さなければ、ワシントンの外交関係者の間では韓国の中国傾倒論がくすぶり続けるだろう。

パク・チョルヒ教授=ソウル大学国際大学院・日本研究所長
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