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2015.10.18 SUN
TEXT BY LIZ STINSON
WIRED NEWS(US)
1986年の夏、ロン・ジョーンズはオアフ島のビーチに座って砂に絵を描いていた。スペースシャトルのチャレンジャーが発射直後に爆発事故を起こしてから数カ月後、彼の職場は突然なくなった。
彼が働いていたのはヴァンデンバーグ空軍基地で、航空技師として「スペース・ローンチ・コンプレックス6」の建設に携わっていた。NASAがシャトル計画に急ブレーキをかけた結果としてすべてが中止の憂き目にあうまでは、空軍のミサイルやロケットの発射基地となる予定だった。
ジョーンズは物心ついてからずっと、暇さえあれば5年後、30年後、50年後そして100年後の宇宙旅行がどうなるかに思いを馳せていた。ヴァンデンバーグに職を得てからは、ジョーンズは人間がいつどのようにして、地球を後にしてずっと宇宙の旅を続けるのだろうかと考え続けてきた。彼にしてみれば、宇宙旅行への道は宇宙のからくり箱、一種のルーブ・ゴールドバーグ・マシンに過ぎない。
彼の最終目標は、火星に大規模な居住区をつくり上げることだが、まずそのためには、例えば信頼に足る軌道内移動用の宇宙船も必要だし、小惑星群の鉱物資源も掘り当てなければならず、月面にも居住区をつくり出さなければならない。
ジョーンズは、暇をもて余した宇宙オタクの若いエンジニアだった。「この砂だらけのビーチに座ってビールを片手に、生命や宇宙の計画に想いを馳せていました」 と振り返る。そしてあるときひらめいたのだ。砂に描いた図形や線が突然意味をもち始め、これがその後の30年間をかけて彼が開発することになる極めて野心的なプラン「統合宇宙計画 (ISP)」 の始まりだった。
ISPは、最近になってデザイン会社、212Box社の手により現代的に描き直された。しかし、この新しいスケッチを正しく認識するためには、まずその旧ヴァージョンを理解することから始めなければならない。
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