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サンフランシスコ 「日本軍慰安婦の歴史」教育へ 一方的認識、踏襲の恐れ

産経新聞 10月18日(日)7時55分配信

 【ロサンゼルス=中村将】慰安婦碑または像の設置を支持する決議案が市議会で採択された米カリフォルニア州サンフランシスコ市を学区に含む教育委員会が、学校教育の中で「日本軍の慰安婦の歴史」を教えることを決めたことが分かった。慰安婦について「拉致された」「性奴隷」などとする市議会決議の教育現場への波及が懸念される。

 サンフランシスコ統一学区の教委によると、適齢となった生徒らを対象に、性的人身売買の悪影響や危険性を教育する一環として、旧日本軍の慰安婦の歴史を教育する。決定は今月13日付。

 同学区の教委は、同市を含むサンフランシスコ郡の自治体を管轄しており、5万7000人以上の児童・生徒の教育を指導している。

 教委は、慰安婦の歴史を学ぶ対象の見通しを中学や高校の歴史や社会科目としており、在米華僑系住民向け中国語新聞「星島日報」は、「早ければ来年秋開始の学期から、世界史科目に含まれる」と報じている。

 市議会で先月22日に採択された「慰安婦像」決議は、日系人や現地在住の日本人らから反対意見が出たため、「世界で続く人身売買に反対し、過去の過ちを記憶する」という趣旨を盛り込み、批判の対象を広げた経緯がある。

 しかし、慰安婦については「日本軍によって拉致され、性的奴隷の扱いを強要された20万人のアジアの少女や女性」と説明しており、一方的な歴史認識が教育現場で踏襲される可能性がある。

 「慰安婦の歴史の専門家や有識者が教材について協力と助言をする」との報道もあり、教材選定も今後進むとみられる。

 米国では慰安婦について、市議会決議とほぼ同じように「日本軍が組織的に20万人の女性を強制徴用し、性的奴隷にした」と記述する米マグロウヒル社の高校世界史の教科書を使用している学校があり、同学区の高校で世界史が優秀な生徒らを対象にしたクラスの教科書リストにもこの教科書が載っている。

 日本の歴史学者らが多数の誤りを指摘して訂正を申し入れているが、同社は応じていない。

最終更新:10月18日(日)8時12分

産経新聞

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