2012-06-28
力強い女性と自然 ジェーン・エア
映画 | |
映画料金の安い日とかにはよくはしごをするのだが、特に当初の予定で見た作品がいまいちだったりすると思わず別の映画を観ることがある。今回の「ジェーン・エア」も「スノー・ホワイト」が決して悪くはないがすごく良かったわけではないので、ちょっとモヤモヤしたところで時間があったので口直しに見た作品。
「ジェーン・エア」というタイトルは勿論聞いたことがあり、作者のシャーロッテ・ブロンテも知ってはいた。とはいえ内容まで読んだことがあるかというと、今回映画を観て読んでいなかったことが判明。古典作品は読んだ気になっている作品も結構多い。
観ようと思ったきっかけは(先ほどの時間的な予定があったという他に)出演者が「アリス・イン・ワンダーランド」「マンイーター」のミア・ワシコウスカとマイケル・ファスベンダーが出演していたということ。その他チラシやポスターの煽り文句、
結婚式の朝、ジェーンは知った。最愛の人の恐ろしい秘密。屋敷の隠し部屋に、幽閉した「妻」がいることを―
が、ヒッチコックの「レベッカ」やペローの童話「青ひげ」を思わせてホラー的な要素があるのか、と勘違いしたことによる。
物語
19世紀の英国。幼い頃に両親を亡くしたジェーン・エアは伯母に虐げられ虐待が平然と行われる寄宿学校へ送られる。そこでも酷い扱いを受けるがジェーンは己を変えることはなかった。成長したジェーンはソーンフィールド館の家庭教師となる。館の主人ロチェスターが後見人となった少女アデールを教えるために。
やがてロチェスターと出会い、ロチェスターはそれまでの女性とは違うジェーンに惹かれていく。しかし館では深夜にジャマイカから来た友人が何者かに刺されたり、ロチェスターの寝室が放火されるなど不審な事件が相次ぐ。事情を知っていながら何も語ろうとしないロチェスター。
屋敷を取り仕切るフェアファックス婦人からロチェスターが貴族の令嬢ミス・イングラムと結婚が間近だと伝えられたジェーンは館を去ろうとするがロチェスターから愛の告白を受ける。受け入れるジェーン。しかし結婚式の朝、最愛の人の恐ろしい秘密が明かされる・・・
監督は日系アメリカ人のキャリー・ジョージ・フクナガ。日系人の純文学作品ということでなんとなくカズオ・イシグロを思わせる。映像は19世紀の英国らしくまるでファン・エイクの「アルノルフィーニ夫妻像」のような化粧っ気の無い女性が描かれる。作中に登場する女性ではジェーンも、リヴァース姉妹も生気に乏しく、外見で生き生きしているのは貴族の婦人や令嬢だけだったりする。
とは言え生き方としてはジェーンのほうが先進的で、特に冒頭に出てくるキャラクターはジェーンを除いて現代の目から見るとトチ狂ってると思わざるをえない人たちばかり。ジェーンが預けられた学校はいじめを防止するところか積極的にやりなさい、と率先する。
シャーロッテ、エミリー、アンのブロンテ姉妹は当時としては珍しい自立した女性の生き方を描いた作家(らしい)。彼女たちの小説の主人公は当時は異端だったかもしれないが現代の目から見れば当然の生き様で周りの人間が異様に見える。むしろ、この作品におけるジェーン・エアの生き様でさえ、生ぬるい。
ジェーンを演じるミア・ワシコウスカはとにかく地味で派手なところが殆ど無いので可愛いとか美人とか以前の話。逆にそれ故に芯の強さや知的さが際立つ。マイケル・ファスベンダーはギョロ目にもみあげで精力の強そうなルックス。貴族でありながら野性的な風味でジェーンならずとも惹かれるには充分だろう。だが、当然のようにこの人物も秘密を隠し持ち、他人を見下すような視線を持ちそこはやはり貴族的ではある。
以外に強い印象を残すのはMことジュディ・デンチで、僕は「ジュディ・デンチが出てるから!」という基準で作品を選ぶことは無いがここ十年ぐらいの彼女の出演作品はほとんど見ているなあ。
結果としては僕が期待したホラー的な部分はほとんどなく、そこはやはり古典文学という感じだったのだが、作品自体は淡々としながらも面白く、映像的にも特に特異なものはないけれど荒涼とした自然やそれと対比的な春の綺麗な描写など自然が美しい。
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意外と「ドラゴン・タトゥーの女」とかと似ているんじゃないかなー、という気がします。
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