2020年の東京五輪のメーン会場となる新国立競技場の設計や建設の再入札への意思表明が18日午後5時に締め切られた。大成建設や、竹中工務店・清水建設・大林組の3社連合などが応札の意思表示をし、鹿島は見送ったもよう。ただ、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)は同日、応札情報を明らかにしなかった。こうした対応に選考過程がブラックボックス化するとの批判も出ている。
JSCが情報公開をしない理由について下村博文文部科学相は18日、「談合を防ぐ法律で禁じられている」などと説明した。JSCは事業者に対してかん口令を敷いており、ある大手ゼネコンは「公正な競争を阻害しないように」と強くくぎを刺された。
ただ、完全に情報を遮断するのは難しく、関係者への取材で大手ゼネコン5社の対応は判明している。大成建設は建築家の隈研吾氏、梓設計(東京・品川)とチームを組み、竹中工務店、清水建設、大林組の3社連合は建築家の伊東豊雄氏、日本設計(東京・新宿)と連携、鹿島は応札を見送ったもよう。
今回の入札は1日に募集要項が示され、設計や建設を一貫して担うチームを募った。白紙になった旧デザイン案を手がけた建築家ザハ・ハディド氏と日建設計(東京・千代田)は18日、ゼネコンを探していたが見つからず、参加を断念すると発表した。「当初案を縮小する対応でもよかったのではないか」(日建設計幹部)との声も漏れる。
同様に組むゼネコンが見つけられなかった建築家から「入札に集まる案がごく限られる仕組みだった」との批判もある。審査の結果、優先交渉権者が決まるのは12月下旬。それまで公式には入札参加者などは伏せられる見通しだ。
ただ旧整備計画が頓挫した一因は、JSCが選考過程を外部に明らかにしなかったことにある。国民の批判を受けやり直しとなった入札で、あやふやな情報が独り歩きすることを懸念する声も出始めている。