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マイナンバー システム設計発注巡り収賄の疑い 厚労省職員逮捕
10月13日 18時14分

マイナンバー システム設計発注巡り収賄の疑い 厚労省職員逮捕
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マイナンバー制度に関連する医療分野のシステム設計などの企画開発業務を巡り、厚生労働省の室長補佐が、都内の情報関連会社に便宜を図った見返りに現金およそ100万円の賄賂を受け取っていたとして、警視庁は収賄の疑いで室長補佐を逮捕しました。
収賄の疑いで逮捕されたのは、厚生労働省情報政策担当参事官室の室長補佐、中安一幸容疑者(45)です。警視庁の調べによりますと、中安室長補佐は平成23年度、マイナンバー制度に関連する医療分野のシステム設計などの企画開発業務を巡り、都内の情報関連会社が受注できるよう便宜を図った見返りに、会社側から現金およそ100万円を受け取ったとして収賄の疑いが持たれています。
この業務では、複数の業者が競い合う企画競争入札が行われ、贈賄側の会社が2億円余りで随意契約を結んでいました。警視庁は13日、中安室長補佐を取り調べ、容疑が固まったとして逮捕しました。
警視庁によりますと、調べに対し、中安室長補佐は容疑を認めているということです。一方、贈賄側の会社については時効が成立しているということです。警視庁は、現金がわたったいきさつなどについて詳しく調べる方針です。

医療情報のIT化に一貫し携わる

逮捕された厚生労働省の中安一幸室長補佐は平成3年、国立病院の事務職員として入省しこの10年間は電子カルテの普及など一貫して医療情報のIT化に関する政策に携わってきました。平成24年4月からは「情報政策担当参事官室」の室長補佐としてマイナンバー制度の導入に向け医療や年金など社会保障に関連する情報の管理や活用方法について検討していました。去年までの3年間は北海道大学と東北大学、それに秋田大学で客員准教授などとして医療関係の情報政策について教えていたということです。
厚生労働省は「職員が収賄容疑で逮捕されたことは極めて遺憾で今後の捜査に全面的に協力するとともに結果を踏まえて厳正に対処する」などとコメントしています。

システム設計など提案事業が舞台

今回の汚職事件の舞台となったのは来年1月から運用が始まる「マイナンバー制度」の準備段階の事業です。「マイナンバー制度」はこれまで別々に管理されてきた住民票や所得、納税額などの情報を一元的に管理できるようになるほか、新たに対象が医療や金融などの分野に広がることになっています。各省庁はこれまで、制度の導入に向けて準備を進め、このうち厚生労働省は医療などの社会保障分野で技術開発や法整備、それにシステムの構築を行ってきました。今回の汚職事件は制度導入の準備として4年前に発注された、システム設計などの提案事業が舞台となりました。

マイナンバーに向け厚生労働省は

マイナンバー制度の導入に向けて厚生労働省は、平成23年度以降、医療などの社会保障分野において必要な、技術開発や法整備、それにシステム改修の検討を進めてきました。健康保険組合が保有する患者の情報を共有するためにはどのような通信が必要かといった技術的な検証や、システムの改修に必要な期間や費用の試算などが行われてきました。

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