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沖縄県知事 辺野古沖埋め立て承認取り消し
10月13日 10時03分

沖縄県知事 辺野古沖埋め立て承認取り消し
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アメリカ軍普天間基地の移設計画を巡って、沖縄県の翁長知事は、名護市辺野古沖の埋め立て承認について「法律上の瑕疵(かし)がある」などとして取り消しました。
沖縄防衛局は移設に向けた工事を続けるため、承認取り消しの執行停止と無効を求める申し立てを直ちに行う方針です。
アメリカ軍普天間基地の移設計画を巡り、沖縄県の翁長知事は先月、名護市辺野古への移設を阻止するため、仲井真前知事が行った移設先の埋め立て承認を取り消す方針を表明し、工事を行う沖縄防衛局に対し反論を聴く機会を設けるなどの手続きを進めてきました。
そして、一連の手続きが終わったことを受けて、翁長知事は13日午前8時半、「埋め立て承認には法律上の瑕疵(かし)がある」などとして承認を取り消すための文書を決裁し、沖縄防衛局に通知しました。
翁長知事は記者会見し、今回の決断の理由や今後の対応について説明することにしています。
これに対し、政府は移設計画を進める方針で、沖縄防衛局は工事を続けるため、直ちに行政不服審査法に基づき、承認取り消しの執行停止と無効を求める申し立てを国土交通大臣に行うことにしています。
国土交通省は、沖縄県の主張を確認するなどしたうえで申し立てを認めるかどうか判断することにしており、最終的には政府と沖縄県による法廷での争いに発展することも予想されます。

国交省が判断求められる可能性

沖縄県の翁長知事が名護市辺野古沖の埋め立て承認を取り消したことで、今後、国土交通省が判断を求められる可能性があります。
これは、埋め立て承認が、国の強い関与を認める「法定受託事務」とされているからで、知事の承認の根拠となる公有水面埋立法は国土交通省が所管しています。
防衛省が今後、承認取り消しの無効を求めて国土交通省に行政不服審査請求を行った場合、国土交通省は沖縄県の弁明書や防衛省の反論書などを基に審理を進め、防衛省の請求を認めるか棄却するか判断することになります。
また、防衛省が行政不服審査請求とともに、知事の承認取り消しの執行停止を申し立てた場合、国土交通省は緊急性があると判断すれば、知事の意見を聞いたうえで、審査の間、取り消しの効力を一時停止することができます。このほか、地方自治法には国土交通大臣が著しく公益を損なうことが明らかだと判断した場合、知事に対し改善勧告や改善指示を行う手続きが定められています。
知事が従わない場合、国が裁判を起こし、最終的に国土交通大臣が知事の代わりに埋め立てを承認する「代執行」の手続きも定められています。

裁判なら「代理署名拒否」以来の事態に

今後、仮に国と沖縄県が法廷で争うことになれば、20年前、当時の大田知事が軍用地の強制使用を巡る代理署名を拒否し、基地問題を巡って双方が正面から対立して以来の異例の事態となります。
沖縄のアメリカ軍基地を巡っては、沖縄県知事が土地の提供を拒んだ地主に代わり必要な書類に署名して強制使用を継続する代理署名の仕組みがあり、20年前の平成7年、当時の大田知事は署名を拒否し、国が裁判を起こしました。
大田知事が署名を拒否し続けた背景には、この年、少女暴行事件などアメリカ軍が関係する事件や事故が相次ぐなどして基地に反対する住民の声が高まったことがあります。裁判は平成8年、最高裁判所が「公益が損なわれる」などとして、知事に代理署名を命じた高等裁判所の判決を支持し、沖縄県側の上告を退けました。
一方で、15人の裁判官のうち6人が、判決理由を補足する形で、沖縄に基地が集中し住民が重い負担を強いられているという意見を述べるなど、沖縄県側の主張に一定の理解を示しました。
今後、仮に国と県が法廷で争うことになれば、20年前、大田知事が代理署名を拒否し、基地問題を巡って双方が正面から対立して以来の異例の事態となります

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