岡本玄
2015年10月18日12時26分
被爆70年の節目に戦争体験の継承を考える集いが17日、東京都千代田区の日比谷公会堂であった。日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)などでつくる実行委員会が、次の世代に体験を継承するため、若者や市民に参加を呼びかけて開催。被爆者や空襲被害者、若者らが登壇し、ともに連携して不戦に取り組むことを確認した。
集いは「被爆70年 広島・長崎は、なんだったのか? ―今を戦前にしないために」。会場に集まった約700人を前に、日本被団協代表委員の岩佐幹三さん(86)が広島での被爆体験を語った。自宅の下敷きになった母親を助けられなかった悔いを打ち明け、「多くの死を無駄にしないために再び戦争への道を歩んではならない」と訴えた。
若い世代も登壇し、思いを語った。昨春から原爆ドーム周辺でガイドをしている村上正晃さん(22)は「以前は爆心地がドームではないことも知らなかった。過去を学び、伝えていきたい」と話した。日本被団協事務局長の田中熙巳(てるみ)さん(83)が「若い人たちは、戦争を知ることから始めてほしい」と締めくくった。
日本被団協は18日に全国都道府県代表者会議を開き、安全保障関連法は、核兵器も戦争もない世界を求める被爆者の思いに反するとして、抗議アピールを採択する予定。(岡本玄)
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朝日新聞社会部
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