対象OS:Windows 7/Windows 8/Windows 8.1/Windows 10/Windows Server 2008 R2/Windows Server 2012/Windows Server 2012 R2
Windows OSにサインイン(ログオン)すると、サインインしたアカウントごとに「ユーザープロファイル」という情報が作成される。この中には、ユーザーの「ドキュメント」や「ピクチャ」「ミュージック」のようなフォルダーの他、デスクトップや個人設定、レジストリの設定、ユーザーごとのアプリケーションデータなどが保存されている。Windows OSを長く使っていると、このユーザープロファイルのサイズが数G〜数十Gbytesにもなる。
ユーザープロファイルは、Windows OSにサインインするアカウントごとに作成され、複数のユーザー間で共有されることはない。そのため、1台のPCを複数のユーザーで利用していたり、以前誰かが使っていたWindows PCを譲り受けてそのまま使っていると、不要なユーザープロファイルがシステム中に複数残ったままになり、ディスク領域を圧迫していることがある。ストレージ容量の少ないノートPCやタブレットPCではこれは問題だろう。
ユーザープロファイルは、デフォルトでは「C:\Users」以下のサブフォルダーに保存されているが、このフォルダーをエクスプローラーなどで直接手動で削除してはいけない。プロファイルにはレジストリ設定などもあるため、システムの整合性がとれなくなるからだ。プロファイルの削除はユーザープロファイルの管理画面から行う。
システムに保存されているユーザープロファイルの例を次に示しておく。
「名前」欄に表示されているのがこのシステムにサインインしたことのあるユーザーアカウント名だ。「サイズ」欄に表示されているのがそのユーザーアカウントで使用しているディスク領域のサイズ(ユーザーフォルダーのディスク上での占有サイズ)である。ユーザープロフィルを削除すると、この分のディスク領域を解放して、空き領域に変換できる可能性がある(種々の理由により、この値と実際の使用領域がいくらか異なることがある)。
「変更日」には、そのユーザープロファイルが最後に使われた日付が表示されている。この日付が非常に古く、今後もサインインする予定がないアカウントなら、そのプロファイルを削除するとよいだろう。
名前が「既定のプロファイル」となっている項目があるが、これはデフォルトのプロファイル(テンプレート)を表している。最初にサインインした時にこの内容がコピーされ、ユーザープロファイルの初期状態として利用される。実際のフォルダー名で言うと、「C:\Users\Default」以下に相当する。これは削除できない。
なお、いったんユーザーアカウントを削除すると、同じ名前でアカウントを新規作成しても、以前とは別のアカウントとして扱われ、以前のユーザープロファイル(の場所)が再利用されることはない。そのためアカウントを削除した場合は、関連するプロファイルも同時に削除しておこう。
本TIPSでは、現在のWindows OSにおけるユーザープロファイルを削除する方法を紹介する。
システムに保存されているユーザープロファイル情報を表示させるにはいくつか方法がある。通常はエクスプローラーで「コンピューター」(Windows 8/Windows Server 2012以降では「PC」)を選んで右クリックし、ポップアップメニューから[プロパティ]を選択する。Windows 8/Windows Server 2012以降の場合は、スタートボタンを右クリックするか、[Windows]+[X]キーを押してクイックアクセスメニューを表示させ、[システム]を選んでもよい。
すると「コンピューターの基本的な情報の表示」画面が表示されるので、左側のメニューから[システムの詳細設定]をクリックする。
「システムのプロパティ」画面が表示されるので、[詳細]タブにある[ユーザープロファイル]の[設定]ボタンをクリックする。
これで「ユーザープロファイル」画面が表示される。プロファイルを削除するには、削除したい項目を選んで[削除]をクリックする。
現在システムにサインインしているユーザーや自分自身(現在サインインしているアカウント)のプロファイル、「既定のプロファイル」などは削除できない([削除]ボタンがグレーアウト表示になる)。もし自分自身を削除したいなら、他の管理者アカウント(例:Administratorなど)でサインインしてから、該当するプロファイルを削除する。
名前が「不明なアカウント」となっている項目が表示されることもあるが、これはプロファイルフォルダーは存在するが、その基となったアカウント情報がすでに削除されていたり、(ドメインコントローラーと通信できないなどの理由によって)アカウント情報にアクセスできなかったりする場合に表示される。このアカウントで再サインインする予定がないならプロファイルを削除してもよいだろう。
アカウントを削除しても、該当するユーザープロファイルは削除されず残ったままになるが、これは面倒なので同時に削除したいこともあるだろう。Windows 8/Windows Server 2012以降では、ローカルアカウントの削除と同時に、ユーザープロファイルもまとめて同時に削除する機能がある。
歴史的な経緯によりWindows OSでアカウントを削除するにはいくつか方法があるが、Windows 8/Windows Server 2012以降で導入された[設定]ツールから呼び出すアカウントの管理ツールを使うとアカウントとプロファイルの同時削除ができる。コントロールパネルの「ユーザーアカウント」管理ツールや[コンピューターの管理]にある[システムツール]−[ローカルユーザーとグループ]管理ツール、コマンドプロンプトで使える「net user /delete 〜」コマンドなどでは、アカウントの削除しかできない。
Windows 8/Windows Server 2012以降の[設定]ツール([Windows]+[I]キー)で[アカウント]−[他のアカウント]と表示させると、システムに登録されているローカルアカウントの一覧が表示される。
ここでアカウントを選んで[削除]を実行する。すると次のような確認画面が表示されるので、[アカウントとデータの削除]をクリックする。これでローカルのアカウントと(もしあれば)そのアカウントで使用しているユーザープロファイルも同時に削除される。
ただしこの方法ではドメインのアカウントは削除できない。ドメインアカウントの場合は、Active Directoryの管理ツールでドメインアカウントを削除し、さらに最初に述べた方法でローカルのプロファイルを削除する。
■更新履歴
【2015/10/16】Windows 7/Windows Server 2008 R2以降のOSを対象として、全面的に書き直しました。
【2004/02/07】初版公開(対象OSはWindows 2000/Windows XP/Windows Server 2003)。
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