2015年10月15日13時06分
川内原発2号機の再稼働を受け、鹿児島県の伊藤祐一郎知事は15日、記者会見で「重大事故で住民が避難することになれば、我が国の原子力政策は終わる。それくらいの認識で原子力規制委員会も審査をしていると思うし、電力会社もその気持ちで対応してほしい」と述べ、安全確保に最大限の注意を払うことを九電に求めた。
■正門では反対の抗議
川内原発の正門ゲート前には午前8時、2号機の再稼働に反対する約120人(主催者発表)が集まった。午前10時半の原子炉起動に合わせ、参加者全員が1分間の沈黙で抗議。「原発いらない」「2号機危ない」と書かれた赤と緑の紙を掲げ、「スイッチを押すな」「危ない原発を動かすな」とシュプレヒコールをあげた。
参加者は交代でマイクを握り、声を上げ続けた。川内原発から約12キロに自宅がある「川内原発建設反対連絡協議会」の鳥原良子会長は住民の避難計画が不十分だと指摘し、「川内原発を再稼働した九電や、国、自治体には住民の命を守るという視点が欠けている。私たちは廃炉になるまで諦めない」と力を込めた。
福島第一原発事故後、県内で繰り返し反対集会を開いてきた市民団体「ストップ再稼働!3・11鹿児島集会実行委員会」の向原祥隆事務局長は「住民に対する十分な説明のないまま1号機に続き2号機も再稼働するのは許しがたい。県民の大多数が反対しており、『原発やめろ』という声がやむことはない」と話した。
正門前では今月11日から十数人が座り込み、ハンガーストライキを続けてきた。参加した男性の一人は「九電も国も反対の声に一切耳を傾けない。民主主義を守るためにこれからも闘う」と語った。
■官房長官「緊張感を持って」
菅義偉官房長官は15日の記者会見で、川内原発2号機の再稼働について「原発は安全第一だ。原子力規制庁が起動に必要な検査を引き続き行っている。関係者には緊張感をもって取り組んでほしい」と述べた。
また、今後の他の原発の再稼働についても「原子力規制委員会によって世界で最も厳しいと言われる新規制基準に適合すると認められたものについて、その判断を尊重し、再稼働していく。その政府の方針に変わりはない」とも語った。
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