河野の見事なV2だった。試合前は日本人初の4階級制覇を目指す興毅が有利と見る声もあったが、前哨戦の毒舌パフォーマンスが激しかったのが、河野の闘志に火を着けたようだ。
河野には、気持ちの強さがフルラウンドで出ていた。内容もワンサイドに見えた。距離が生命線の興毅が打ち合いに出たのも功を奏した。河野は1回から前に出る自分のスタイルを徹底。最後まで大振りもなく、冷静だったのも良かった。興毅の伸びるストレートを距離を詰めてつぶし、パンチを内から繰り出して押し返す。2回には右でダウンを奪って相手に試合をリードさせない老練さも光った。
興毅は終盤、顔をはらしていた。河野がここまでやるとは思わなかった。河野としては、日本で試合ができない興毅に付き合って米国まできたかいがあったというものだ。
興毅は「河野の米国デビューの相手を務めてしまった」という感じだ。 (格闘技評論家)
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