UV神話が崩壊する・・・その真実を徹底解明!
誰も言わなかったUV・赤波長の事実とは?
HISEA A1の性能は前回記事の通りでなんですが、ではなぜここまでLEDは進化できたのでしょうか?
今日はその話しをさせて頂きたいと思います。
LEDライトと言えばもう皆様もご存知の通りで今更説明することはありませんが、要は様々な色(波長)の
組み合わせにより一つの光として照射させることが出来る照明なのです。
思い起こせば7年前にUVを搭載した世界初のアクアリウム用のLEDライトを日本では弊社が発売しました。
その名も「Illumagic」と言う商品で、当時は本当に画期的な照明として注目されたものです。
そんなことは今更どうでも良い話しですが、この仕組みを利用したのがアクアリウム用に開発されたLED
ライトでして、もちろん単色のタイプもありますが水草やサンゴ育成には光合成を促すために必要な吸収
波長と言うものがあります。
それぞれの種類により多少の違いはあるものの、その多くはこれらの光を得ることで健全な骨格や色素
タンパクを形成し成長していきます。
LEDの利点としてその必要な色の波長を増やしたり減らしたりして水草には水草の、サンゴにはサンゴ特有
の光を作り出すことが可能ですので非常に効率的な照明と言えるでしょう。
しかしながら勘違いしてはいけない事として、その必要な光だけでは生きて行けないと言う事です。
じゃあ深場ではほとんど届いていない光(例えば赤外波長など)がなくてもサンゴは育ってるよって思われる
かも知れませんが実はそうではありません。
本当の意味で深海ならそうかも知れませんが、一般的な共生藻をもつ造礁サンゴが生息するのはせいぜい
20Mぐらいまでで、ほとんどの場合は10M前後の水深ですから太陽光の恩恵は必ず受けているはずです。
この様に深くなれば赤~黄色の波長が吸収され弱くなり青色が主体となってきますので人間の目では青い光
しか見えていないだけで決して無くなっている訳ではありません。
また、もう一つ肝心な事で言えば赤色~赤外波長が無ければ水温を維持させる事が出来ないため温暖な
水温を好むサンゴは生息することが出来ません。
サンゴの生息分布図を見れば一目瞭然ですが赤道を中心とした浅瀬の多い海域に多く生息しています。
ですからサンゴ育成に重要なのはUVなど必要な吸収波長だけではなくこの様にバランス良い波長がサンゴ
全体の光合成に役立っていると言えるのではないでしょうか?
UV域だけを増やしても決してPAR値を押し上げることに繋がらないというか、他を減らしている事により
結果的にはマイナスになっていると言わざる得ません。
ですからUV域が多いLEDライトは必ずPAR値を上げるために他の灯具の補助が必要になる、あるいは
数多く設置しなければならない運命にあるのです。
HARU DESIGN様「アクアリウム~海中での太陽光スペクトルの変化とLED考察~」引用
このグラフは海中における光の強度を測定されたものです。
どうですか? 5.5Mの浅瀬でもUVはてんこ盛りですか?
浅瀬でこそUV域は大きいですが深まるにつれ赤外波長同様にかなり減退している事がお解かり頂けます。
400nm前後からのUV域は必要ですが過剰な量は添加剤と一緒である一定の波長だけを強調してしまうと
バランスを崩してしまうという結果になります。
実際の測定ではUV域の波長より赤波長の方が断然多いのは言うまでもありません。
もうこの時点でお気付きでしょうが、サンゴがUV域を利用(吸収)している範囲はごく一部なのです。
それにも関わらずサンゴがもつ蛍光タンパクや励起だけを取り上げて大量のUV域の波長を当て続けるのは
サンゴの虐待以外の何者でもないでしょう。
LPSでも綺麗に見えるからといって青色LEDだけを当て続ける事はUVよりはマシですが同様だと思います。
日本サンゴ礁学会ではサンゴが白化する原因の一つとして紫外線が取り上げられています。
「白化現象はサンゴがストレスを受けて共生藻を失うことによって起こります。ストレスとしては、高水温・低水温・強い光・紫外線・低い塩分などが考えられています。これらのストレスが共生藻の光合成系を阻害し、光合成で消費しきれなくなった余剰の光エネルギーがさらに共生藻の光合成系を損傷することが原因と考えられています。」
参考文献:日本サンゴ礁学会
この画像はエキゾチックアフリカさんで撮影させて頂いた綺麗なブルーがのったスギノキです。
一見綺麗に見えますが、実はメイン照明のほかに青色LEDのスポットを当てています。
残念ながらこの水槽ではサンゴの維持は出来るものの成長や色揚がりは望めないようです。
なぜだと思いますか?
メイン照明は以前に弊社が販売しておりましたT5+LEDのHIBRIDです。
LED部分には400と420nm付近のUV域が十分備わったライトです。
これにアクアナノ・コーラルプラスや青色のスポットなどで多灯していますので完璧なように思えます。
しかしながらT5管は既に寿命が来ており十分な光量がありませんのでPAR値はかなり低くなっています。
そこへもって来て過剰なUV域を加える事でバランスを崩しサンゴにストレスを掛けてしまってるのです。
お店の方には申し訳ないのですが、これが私の診断です。
改善するにはT5管を新品に入れ替えブルーのスポットLEDの照射は中止することが懸命だと思います。
スギノキの後ろにあるストロベリーも微妙な感じですがまだまだ復活する余地は十分あると思います。
一方、新しく立ち上げた水槽にはHISEA A1が3台設置されているだけですが、販売するスギノキはこちらの
水槽で撮影されていました。
先ほどの真っ青のスギノキとは違いどちらかと言うと綺麗に見えないかも知れません。
お店側の商売としては先ほどの画像のような濃いブルーのスギノキの方がインパクトがありよく売れるの
かも知れませんが実物通りに撮影して掲載する姿勢にはすごく共感させて頂きました。
さすがプロショップです!
でもこれってよく見るとごく自然な感じで太陽の光が差し込んでるように見えませんでしょうか?
HISEA A1にはUVやバイオレット、ブルーに赤やシアンも全部入っていますがPAR値を押し上げる高ケル
ビン(約14000k)の白色LEDがベースとなってしっかり支えていますので全く違和感を感じませんよね。
そして優れたPAR値は照明直下だけでなく水槽全体をも包み込んでいます。
これこそHISEA A1が目指した本当の意味での太陽光なのです!
だから一目見ただけでは誰もLEDとは思えない光になっている所以なのでしょうね。
どうでしょうか? いかにもサンゴがグングンと成長しそうな光に見えませんか?(笑)
この光を浴びて成長し色付いてきたサンゴは本物の輝きを見せてくれること間違いナシ、文句なし!
だってこれが正真正銘・本物の太陽光の再現ですからね!
わたしは実践の経験からそれを信じて疑いません。
どうかUVや波長だけにとらわれず、また赤波長の悪害説などのデマや机上の空論に騙されないで欲しいと
心からそう願っています。
UV域は隠し味程度に、そしてしっかりとPAR値を底上げする工夫がなされているLEDライトをお勧めします。
あと、短時間では問題ありませんが幻想的だからといってUVだけをムーンライトに使ったり長時間サンゴに
照射しないでください。
次第にポリプを出さなくなり調子を崩す原因となります。(必ずなりますのでご注意ください!)
HISEA A1は今後のサンゴ育成や水草照明のスタンダードとして認められるよう幅広い分野で営業活動を
展開していく予定です。
既に完成品は現地から発送されており第2便目の到着はもう目の前です。
まもなく関東・東海・関西の販売店様よりリリースされます。