kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブコメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブコメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブコメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2015年10月17日

「ドローン戦争」の実態を暴くリーク報道があったが、大手報道機関は無視している(NHKは記事を出している)

本稿は「ドローン戦争」の実態についてのリーク報道に関するエントリだが、いきなり、フィクションの引用から始める。先日、「私はMI6のエージェントだった」と告白して、世界を仰天させ……なかった英国の小説家、フレデリック・フォーサイス(1938年生まれで、まだ生きてます)の、小説としては現時点での最新作(原著は2013年刊)、『キル・リスト』の書き出しの部分である。

 ホワイトハウスの暗い秘密の内懐(うちふところ)に、短い極秘リストが存在する。そこに載っているのは、アメリカ合衆国およびその市民と国益にとってきわめて危険とみなされているために、逮捕や起訴などの法にもとづく適正手続きを経ることなく処刑されるテロリストたちである。それは〈暗殺(キル)リスト〉と呼ばれる。
 毎週火曜日の朝、大統領執務室(オーヴァル・オフィス)で、〈キル・リスト〉に新たな標的をつけ加えるべきかどうかが検討される。検討するのは大統領のほか、六人の人間である。その中に、CIA長官などと並んで、世界で最も大規模で最も危険な秘密軍事組織を率いる軍高官がいる。その組織はJ-SOCといって、公式には存在しないことになっている。……

――フレデリック・フォーサイス(黒原敏行訳)『キル・リスト』角川書店、2014年5月、p. 11


フレデリック・フォーサイスといえば、「どこからがフィクションで、どこまでがノンフィクションなのかがわからない」作品を書く「稀代のストーリー・テラー」として知られるが、巻末の「訳者あとがき」の指摘によれば、『キル・リスト』はのっけからフィクションということになる。というのは、J-SOC (Joint Special Operations Command: JSOCとも表記。日本語では「統合特殊作戦コマンド」という) は「公式には存在しないことになっている」どころか、普通に公知の存在である。「訳者あとがき」から少し引用しておこう。
 つぎにアメリカの全軍と全情報機関を統轄して秘密作戦を主導するJ-SOC(統合特殊作戦コマンド)だが、これは実在の組織である。アメリカ軍に複数存在する特殊部隊を統合して運用する機関で、スタンリー・マクリスタル中将も2003年から2008年まで司令官を務めた実在の人物だ。それが本書では“公式には存在しないことになっている”、“なんでも好きにやれ”る組織として描かれていて、アメリカ政府から苦情が来ないのだろうかと思ってしまうのだが、ともかくフォーサイスの推測にもとづく虚構ということになるのだろう。

―― Ibid., p. 339


小説は進む。大統領執務室でのミーティングで、2013年の早春、件の〈暗殺リスト〉に1つの名前が加えられ、JSOCはそれを下位組織のTOSA (Technical Operations Support Activity: 「技術的作戦補助活動」同書p. 45参照) に伝える。本作の主人公の〈追跡者〉(トラッカー)というコードネームを持つ米軍人はこのTOSAの一員であるが、TOSA自体は「ごく小さな組織」で、「アメリカ4軍の現役軍人のうち98パーセントは名前すら聞いたことがない」ような秘密の組織だ……と、このTOSAなる組織はフォーサイスによるフィクション(架空の存在)で、以降、小説は、(例によって)〈追跡者〉の生い立ちを描くところから始まるという「主人公をやたらと詳しく描写して、リアルさを読者に感じさせ、感情移入を促す」手法で進められていく。

ストーリーは、新たに〈暗殺リスト〉に加えられた正体不明の標的、「ネットにアップされた動画」で過激主義を煽動する〈説教師〉(プリーチャー)の身元を〈追跡者〉が特定し(ここでパキスタンが出てくる。現実にこういうことが起きている国というか体制が出てくる、という視点で読むと、おもしろさは5割増かもしれない)、〈説教師〉の現在の居所を突き止め(ここで米国の凄腕ハッカーが出てきたりいろいろするのだが、そのハッカーが「引きこもり青年」という類型は何とかならんのかと)、いろいろあって最終的にはアレする(ここでモサドも出てくるし英軍特殊部隊なんかも出てくる)。その途上で〈追跡者〉個人の身の上にもいろいろ起きる。

作中で、〈説教師〉に煽動された「個人」が英国や米国で「テロ」を起こすのは、英国でのウリッチ事件やフランスでのシャルリーエブド編集部襲撃事件(2015年1月)など、最近の現実のニュースを思わせるのだが、ちょっと待て、この作品の原著はいつ出たのか……と「訳者あとがき」を見ると、「2013年8月」(同書、p. 339)だ。ウリッチ事件が起きたのは2013年5月なので、この本の執筆段階で参考にされた可能性はほとんどない。やはりフォーサイス、ぱねぇな、と「ローン・ウルフ」のテロリズムの事例の一覧を見ると、欧州では「今思えば、あれは……」という事件であるフランクフルト空港銃撃事件が2011年3月にドイツで起き(コソヴォのアルバニア人青年による米兵を標的とした銃撃)、2012年3月にはフランスでモハメド・メラによる連続銃撃事件(最後はメラは立てこもりの末、射殺された)が起きているのがリストに掲載されている程度であるにせよ、米国では2006年以降、何件も発生している(リストでは「反連邦政府」、「極右」のローン・ウルフ・テロもものすごく多くあるが、イスラム主義の過激派の単独行動も多い)。個人的に、米国での「銃乱射」「犯人射殺」など珍しくもないのでニュースがあってもあまり読まないし、読んでも頭に残っていないだけというのはあるのだが、これらの「あまり注目されなかった(周年の日にも特にニュースにならないような)ニュース」の裏を丹念に見ていけば、フォーサイスのような資質の作家には、このようなフィクションを書くこともできたのだなあと感嘆せざるを得ない。

……と書くと、まるで「絶賛している」ように読めるかもしれないが、最後まで読むのがめんどくさいと感じられる本だった。だって結末はわかりきってる。「ドローンによる爆撃」があたかも「きれいな戦争」であるかのように印象づけられている点、「標的を逃した」際、つまり「誤爆した」際に、その攻撃が何をもたらさなかったか(標的の「殲滅」)は語られていても、その攻撃で何がもたらされたかについては1行も割かれていない点など、反動で『戦争の犬たち』のキャット・シャノンの大演説のシーンを読みたくなってしまったほどだ。「テロリストの凶弾」の被害者のことは事細かに描かれるのに、同じまなざしを、「誤爆」に巻き込まれた「コラテラル・ダメージ」に向けないことは……いやいや、これをフォーサイスに求めるのは、ガソリンスタンドに行って新鮮なお野菜が売っていないと文句を言うようなことだ。それはジョン・ル・カレの担当だ。

そのような、「政治的」な点を別としても、『キル・リスト』は、「ドラマ」として、フォーサイスの昔の作品には全然及ばない。個人的には、単純明快な世界観がウリのハリウッドのアクション映画のノベライズを読んでるような気分だったのだが、感想は人それぞれだろう。Amazonのレビューがいろいろと熱いので、興味のある方は参照されたい。原著のレビューはGoodreads.comのが熱くておもしろい。

キル・リスト (海外文学)キル・リスト (海外文学)
フレデリック・フォーサイス 黒原 敏行

コブラ (上) (角川文庫) コブラ (下) (角川文庫) 戦士たちの挽歌―Forsyth Collection〈1〉 (角川文庫) アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫) アフガンの男 下 (角川文庫)

by G-Tools


さて、ここまで書いてきてアレだが、本稿は別に『キル・リスト』というフィクションを紹介したくて書いているわけではない。

このフィクションが、本当にフィクションなのかどうか、わかりかねてくるニュースが、現実に起きているということを書くことが、本稿の目的だ。





「大統領2人の在任期間を通じて、ドローン・プログラムは、秘密のベールに覆い隠されてきた」


「この極秘プログラムに関する一次資料は、ほとんど何も公にされてこなかった」


「これまでは」


「内部告発者が、The Interceptに対し、大量の極秘資料を提供した」



The Interceptは、エドワード・スノーデンによる米情報機関NSAの監視の実態を示す資料のリークの報道を手がけたグレン・グリーンウォルドと、特にイエメンで行なわれている米国のあれこれいやんなこと(『キル・リスト』の1ページ目にも出てくるが、ドローンを用いて行なわれた米国籍を有する人物の「司法制度での手続きを踏まえない処刑 extrajudicial killing」を含む)についての調査報道を続けているジェレミー・スケイヒルを中心として立ち上げられたオンライン媒体で、資金的にはeBay創業者のピエール・オミダイアがバックボーン。立ち上げ時のことは「NAVERまとめ」を使って書いているのでそちらをご参照のほど。

今、The Interceptのホームを開くと、こうなっているはずだ。

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特設ページはもっと派手なデザインがなされ、解説・調査報道の記事と用語集、リークされた文書そのものと、10のセクション(ページ)で構成されている。
https://theintercept.com/drone-papers

全部読むのはちょっときつい。




TwitterでbreakされたあとのTwitter上での告知と反応を、少しだけだがアーカイヴしておいた。

#DronePapers
http://chirpstory.com/li/289157


「日本語で書いてもどうせ閲覧数数百だろうし、手間かける意味がないから、日本語環境に入れることは考えないでいいだろうという判断」で(このことについて日本語で書くということに関しては、3年前、2012年6月にほとほと懲りました。ソースもなく、「女子学生が肉片に」みたいなセンセーショナルなことを書けば話題になり、それについて「ソースもない」と指摘すると修正主義者呼ばわりされるのが日本語圏)、日本語は添えていないが、NHKが記事にしていることは特記事項といってよいだろう。

「米の無人機攻撃で殺害 約9割が別人の時期も」報道
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151017/k10010273461000.html

10月17日 13時39分 (→どなたかが取っていたアーカイヴ

アメリカのインターネットメディア「インターセプト」は、情報機関の匿名の情報源から入手したとして、アメリカ軍が無人機攻撃の分析結果をまとめた、機密報告書とされる文書を公開しました。

文書では、アメリカが2011年から2013年の間に、アフガニスタンとイエメン、それにソマリアで実施した無人機攻撃について、どのように標的を選び攻撃したかが詳細に記されています。

これらの文書を基に、「インターセプト」は、攻撃の標的は主に通信傍受に頼った情報で選ばれていたとしたうえで、アフガニスタンで2012年の5月から9月までに殺害された人の9割近くが標的以外の別人だったとしています。

また、誰か分からないまま殺害したあとに、その人物がテロリストではないと分かっても、軍の内部では敵として報告していたとしています。


さて、The Interceptの報道は15日(木)の夜(日本時間)に公開されたのだが、その後、英語圏の大手報道機関は、静かだという。










CNNは、(なぜか)CNN Moneyの記事になっているので確認できるが、ジェレミー・スケイヒルをスタジオに招いていた。ジェレミーのツイート。





ははは。

ガーディアンは、記事は出しているが、扱いが大きかったのかどうかはわからない(サイトをチェックしていない時間帯に重なって、個人的に見逃しただけかもしれないが、私はガーディアンのサイトではこのニュースには気づかなかった)。とりあえず、確認できる記事は直接的なものではなく、報道は「エドワード・スノーデンとダニエル・エルスバーグがこのように反応している」という記事だけだ(もう1本は論説)。



このテーマで、ガーディアンがこんなに腰が引けているというのは、どういうことなのかわからない。ガーディアンでこういう方面について書いている記者のひとりであるスペンサー・アッカーマンは、今のところDrone Papersについては記事を書かず、ツイートだけしている。このあと、1本アップして、当分は育児休暇に入るそうだ。






一方で、BBC Newsは完全にシカトしている。このキャプチャは17日(木)の午後のものだが、「米国とカナダ」のセクションのトップページには、リーク報道のあった15日付けの記事が、「米軍、アフガニスタン駐留期限を延長」といった大きなニュースだけでなく、「ニューヨークのレストランがチップを廃止」とかいう記事までまだ残っているのに、「ドローン攻撃」については影も形もない。


※画像クリックで原寸・全ページ分。

なお、日本語圏では、私がブクマ&ツイートしたとき(下記)は既に記事アップから12時間ほど経過していたが、はてなブックマークでは一番乗りだった。日本とは時差があるとはいえ、BBCやWaPo, NYTのような大手報道機関が取り上げていれば、少なくとも12時間も経過する前に誰かが気づいてブクマくらいはしていただろう。




報道の中身は、これから詳しく見るという段階だが、人々がちょこちょこと抜書きしているものなどを見る限り、「まさかそんなことが!」というより「やっぱりね」という印象である。「標的を追跡し、狙い済まして攻撃する」のではなく、「何となくあたりをつけてミサイルを撃ち込んでおいて、殺した人を『標的だった』と言う」というのは、十数年前にアフガニスタンやイラクでよく聞いた、「拘束してから『敵性戦闘員 enemy combatant である』と位置づける」(その「敵性戦闘員」という用語も、かなりアレである)、「とりあえず撃っておいてから、『あっちから撃ってきた(と少なくとも自分は認識した)』と弁解する」(これは「ガン・ホーなアメリカン」として、英軍などからも相当批判の声が出ていた)という米軍の行動パターンそのままである。

それが「法の支配 rule of law」を標榜している国の公的暴力装置の行動の類型なのだから、実に、笑えない。笑えないけれど、まるで不条理コメディだ。

しかし、これと向き合うのはしんどいな。今週はほかに、CIAの拷問についてのものすごい報道があったばかりで、それもまだ読めていない。これまたひどい不条理ギャグというか、「人道的拷問を考案してみますた」感がすごい。つまり「音楽による拷問」で、Westlife(アイルランドのボーイバンド)の曲を使っていたということ。これまで、がちゃがちゃとやかましい音楽(NINやSkinny Puppy, RHCPやメタリカなど)が使用されていたという報告はあったが、Westlifeのような人畜無害な感じのするさわやか青春ポップでも「拷問」のツールになる。一体、誰がどんな顔をして選曲しているんだか。(その拷問のトラウマから立ち直るために拷問被害者が聞いたのがボブ・マーリーだったというのが、また……。)




というわけで、フレデリック・フォーサイスの『キル・リスト』は、「ドローンを使った攻撃は、こんなにも美しく、精緻に組み立てられたものである」という前提からして、完全なフィクションだ、ということは言えるんじゃないかと思う。

作中では、「テロリスト」たちの殺人と、アメリカのドローンによる殺人とは、質的に別物という扱いがなされている。両者の何がどう違うのかということを、フォーサイスは執筆しながら考えたのだろうか。その上で、あの類型化を行なっているのなら、「娯楽小説」として立派なものだ(私には退屈だが)。

……というところで、頭をリセットするために、ジョン・ル・カレを読みたくなるが、そんなものを読んでいる間に、ほかに読むべきものが山積しているのだった……。

繊細な真実繊細な真実
ジョン ル カレ 加賀山 卓朗

誰よりも狙われた男 窓際のスパイ

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楽天ブックスではこちら→ 繊細な真実 [ ジョン・ル・カレ ]
内容(「BOOK」データベースより)
ポール・アンダースンの偽名を与えられた外務省職員は、英領ジブラルタルのホテルの一室で苛立ちを露わにしていた。彼は閣外大臣クインの代理として、テロリスト捕獲のための“ワイルドライフ作戦”に顧問として参加していた。だが、秘密任務に関わった経験は皆無で、なぜ自分が呼ばれたのか見当もつかない。やがてポールは、作戦が成功裏に終了したとだけ告げられ、任を解かれる。一方、クインの秘書官トビー・ベルは、大臣の不審な行動を監視していた。ジブラルタルでの作戦には胡散臭い民間防衛企業の男の影がちらついていたからだ。しかし、トビーの調査には隠蔽を謀る官僚たちの厚い壁が立ちはだかり…。“ワイルドライフ作戦”とは何だったのか?スパイ小説の巨匠が描く、世界の新たな闇。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00IIY0LK4/nofrills-22/ref=nosim/




引用に際し、漢数字をアラビア数字に置き換えた箇所がある。また、「米国籍を有する人物」などと、固有名詞を用いずに曖昧な形で言及しているのは、この人物である。



追記: 「ドローン戦争」について、2012年6月に作成したページを見返していたら、「被害者がだれであるかは結局、わからないんです。それがこのドローン戦争の問題の1つ…」と書いていたことが確認できた。スペンサー・アッカーマンではないが、書いた本人が忘れていた。

それと、これ。Agenciesのクレジットのガーディアン記事。




これでも、当時はドローン全般について「精密爆撃だ」と、まるで感動しているかのような擁護・正当化の声がどこからともなく上がってたりしたはず。

何度も書くけど、根本的には、「法の支配のもとでの正しいプロセスを経ていない殺害 (extrajudicial killing)、事実上の暗殺である」ということが問題なのである。別に「ドローンが悪い」わけではない(ただし「遠隔操作」が「攻撃者の心理的負担を軽くするのではないか」と考えられていた点は注目に値する。類例として、より強力な毒ガスが開発された過程を参照)。そのために用いられるのが銃であっても毒物であっても、空爆であってもドローンであっても、問題であることには変わらない。ピエール・オミダイアがThe Interceptの記事から引用しているのは、そのことだ。




※この記事は

2015年10月17日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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なお、ここに貼ってあったZenbackは2015年2月19日にコードを外しました。今後は検討中です。


【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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