今回は雑談がてら、ネット申込のみに申請方法を限定しているクレジットカードにおける、カード発行会社側の利点というものを考えてみたいと思います。
楽天カードやオリコカード THE POINTなど、今やネット経由ではないと申込を受け付けていないクレジットカードは増加傾向…。今後もこの傾向は続いていくと思われるので、「なぜカード会社がネット申込に限定したカードを作りたがっているのか?」を考えるキッカケになれば幸いです。
ネット申込限定カードの発行メリットまとめ:
1.紙の申込用紙を用意する必要性がない:
まず1つ目は一番シンプルな「紙の申込用紙を作る必要性がない」というものです。
印刷代やデザインコストなどの削減はもちろん、紙の申込用紙を置いてもらう店舗確保などの営業も不要になるメリットは間違いなくあることでしょう。
特にアクワイアラー(加盟店業務)として多くの店舗を抱えている大手クレジットカード会社ならともかく、中規模以下のカード会社だとこの「申込書の設置場所探し」で困ることに…。文字通り、バッサリと紙の申込書をやめてしまうというのは、営業網が乏しいカード会社にとってはアリな選択肢なのですね。
2.メールアドレスの登録が必須にできる:
2つ目はネット申込ならメールアドレスの登録を必須にできるという点です。
カード会社として顧客にメールアドレスを登録してもらうことができれば、重要事項の連絡だけでなく、日々の広告メール配信がしやすくなるので広告収入アップに繋げやすいメリットがある。
反面、紙の申込書の場合にはメアドの登録を必須にできなかったり、使われていないアドレスを記入されてしまう可能性もあるので、なかなか使うに使えない事情があるんですよね。
加えて昨今では自宅にダイレクトメール(DM)を送りつけるのはとにかく嫌がられる傾向にあるので、だったらメールアドレスに対して…という思考回路になるのは納得できるように思います(DMよりも広告メールのほうがまだマシという方は多い)。
3.ポイントモールへの誘導もカンタン:
3つ目はカード会社が運営するポイントモールへの誘導がしやすい点。ポイントモールや今やカード発行会社にとって大きな収益源になっているため、出来る限りカード会員にはここを利用してもらいたい事情があるんです。
このあたりも紙の申込書で申請された場合にはなかなかポイントモールにまでたどりついてもらうことは出来ないのですが、ネット申込者であれば抵抗感も少なく利用してもらいやすいメリットがあることでしょう。
4.明細書の発行費用も削減できる:
最後はこれ、紙の利用明細書の送付が不要になるという点です。
クレジットカードの明細書というのは毎月1回、自宅に郵送で届けられるのが常でしたが、昨今ではネット明細限定のクレジットカードも増加傾向にあり、紙の用紙を自宅に届けてもらうことが出来ないケースも増えてきました。
カード発行会社にとっては、紙の明細書を作成する費用、印刷する費用、郵送代などなどと、なにかと時間とお金がかかったこの作業を、すべてネット上で完結できるのは大きなメリット。前述のように「絶対に紙の明細書は発行しない」というクレジットカードも出てきていますよ(選択制ではなく、ネット明細しか選べない)。
ネット申込限定のカードは今後も増えそう:
ここまで4つほど、ネット申込限定にするメリットというもの解説させていただきましたが、こういった経費削減メリットをまとめると、もう1つ、カード発行会社にとって新しいメリットが生まれます。
それが広告費の捻出です。ネット申込に限定をすれば当然、ネット世界だけでの宣伝活動でOKになるため、その分だけ周りのクレジットカードよりも多くの広告費を投下することが出来ることに…。
結果、ライバルのクレジットカードよりもネット上で話題になり、発行数が増えていくという好循環が生まれるのですね。楽天カードの成功が、まさにそれに当たるように私は思います。
以上、ネット申込限定にする、カード発行会社の利点を考えてみた。なぜオリコカード THE POINTや楽天カードは紙の申込用紙で申請できないのか?という話題でした。
参考リンク:
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