建築物の欠陥が疑われる場合、最初に取材すべき相手は「工事監理者」と呼ばれる人です。工事監理とは、建築士法で「その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認すること」だと定められています。
工事監理者のところに取材に行き、設計図の通りに施工されているのに不具合が起こったと言うのなら、それは設計瑕疵です。設計者のところに取材に行きましょう。
設計図の通りに施工されていないのであれば、まず、目の前にいる工事監理者が職責を果たしていたのかを確認しなければなりません。
皆さんが、いつも真っ先に取材しようとする施工者(ゼネコン)のところにいくのは、設計に瑕疵がなく、かつ工事監理者がその職責をきちんと果たしていたことを確認してからでも遅くありません。
当事者の会社から発表されるままに取材しているのでは、マスコミの存在価値はありません。
設計者、工事監理者、施工者のうち、複数の役割を同じ会社が担っている場合がありますが、その場合でも、設計者としての責任があるのか、工事監理者としての責任があるのか、施工者としての責任があるのかを、きちんと区別するのが正確な報道だと思います。
次からは気をつけてください。私からは以上です。