ニキビ跡(痕)は、ニキビの炎症により周囲の組織がダメージを受け、傷跡として残ってしまった状態です。本来は、激しい炎症を起こす前にニキビを適切にケアし、ニキビ跡(痕)ができないように予防することがとても重要です。
しかし、できてしまったニキビ跡(痕)に対しては、どのようにケアを行えばよいのでしょうか。一言で「ニキビ跡(痕)」といっても、種類は様々。まずはニキビ跡(痕)についての正しい知識を身につけ、ニキビ跡(痕)を正しくケアできるようになりましょう。
ニキビ跡(痕)は、大きく分けると以下の4種類があります。それぞれに特徴があり、適したケア方法が異なりますので、自分のニキビ跡(痕)がどの種類なのかを理解して、適切なケアを行うことが必要です。
ニキビの炎症によって皮膚組織がダメージを受けると、その部分を修復するために毛細血管が作られます。その毛細血管を流れる血液により、皮膚に赤みが出ます。通常よりも毛細血管が増えるのに加え、炎症のダメージのせいで皮膚が薄くなっているため、通常よりも赤みが目立ちます。
茶色いシミのようなニキビ跡(痕)は、メラニン色素によるものです。「メラニン色素」というと、紫外線との関わりで知られていますが、本来の役割は免疫機能だということをご存知でしょうか。メラニンは、紫外線だけではなく炎症や化学物質など、外部の強い刺激から肌を守るための物質なのです。
ニキビの炎症により活性酸素が発生すると、肌を守るためにメラニンが大量に発生します。メラニンは表皮で生成されるため、通常なら肌の新陳代謝によって排出されますが、ニキビが治った後の肌は、ターンオーバーが正常に行われず、メラニンが残ってしまう場合があります。
肌に凹凸ができる、クレーター状のニキビ跡(痕)もあります。これは、炎症による皮膚組織の破壊が真皮層まで及んだ結果です。
肌で炎症がおきると、白血球がコラーゲンなどの皮膚組織を壊して炎症を抑える、免疫反応がでます。コラーゲンが破壊されると、新しい皮膚細胞の生成ができなくなる、あるいは生成スピードが鈍くなります。
その結果、真皮の修復にムラが生じて毛穴の構造が崩れ、肌に凹凸ができるのです。真皮層ではターンオーバーが行われないため、このようなダメージが残りやすいと言えます。
重度の炎症性ニキビでは、ニキビができていた部分が硬く盛り上がるしこり状の跡(痕)や、ミミズ腫れのようなケロイド状の跡(痕)になる場合があります。
しこり状のニキビ跡(痕)は、肌の奥深くまで炎症や化膿が進んだのが原因。ニキビが治ると、線維芽細胞の働きで真皮の修復が行われますが、その際にコラーゲン線維を作り過ぎて、皮膚が硬くなってしまった状態です。
ケロイド状のニキビ跡(痕)は、同じところで何度も化膿を繰り返すことで生じます。重度の炎症で毛穴の組織は壊滅し、毛穴がない状態で盛り上がっています。
時間の経過とともにターンオーバーが進むと、ニキビ跡は徐々に目立たなくなります。ニキビ跡の中にはセルフケアでは治すことが難しいものもありますが、新たなニキビを予防するためにも、以下の4つを意識しましょう。
新陳代謝の促進作用がある栄養素は、人参やホウレンソウなどの緑黄色野菜に多く含まれるビタミンAや、まぐろやレバーなどに豊富なビタミンB6です。大豆製品や卵、魚介類に含まれているタンパク質も、新しい皮膚の形成に必須とも言える栄養素です。また、野菜や果実に豊富に含まれているビタミンCは、コラーゲン線維の生成を促進するほか、抗酸化作用で肌の調子を整えます。
ニキビの悪化を防ぐという点では、皮脂分泌を抑える作用もあるビタミンB群は、特に積極的に摂りたい栄養素です。逆にそのビタミンB群の吸収を妨げるカフェインは、摂り過ぎに注意しましょう。
なお、ニキビに良くないものの代表とも言えるのが、動物性脂肪と糖分。これらの摂り過ぎは皮脂腺を刺激して、皮脂の過剰分泌を引き起こします。
睡眠中には、皮膚や筋肉、骨、内臓器官などの発育を担う成長ホルモンが分泌されます。肌の修復や再生機能であるターンオーバーが順調に行われるためには、この成長ホルモンが必要なのです。
きちんと睡眠をとらないと成長ホルモンが働かないため、肌細胞の修復が進まず、ニキビ跡(痕)も改善しにくくなります。
血行が良くなると栄養分が肌の細部まで届き、新陳代謝が高まります。血行促進のためにおすすめなのが、ウォーキング、ストレッチ、ヨガなどの適度な運動や、ぬるめのお湯にゆったりとつかる入浴。特に入浴は、毛穴を開いて汚れを落としやすくし、新たにニキビができるのを予防する効果があります。
人間の体をコントロールしている自律神経は、交感神経と副交感神経から成り立っています。起きている時や緊張状態の時には交感神経が、眠っている時やリラックスしている時には副交感神経が優位に働いています。
2つの神経のうち、肌の新陳代謝を活発にするのは副交感神経。副交感神経を活性化することで肌の調子を整え、ニキビ跡(痕)の改善につながります。
ニキビの炎症が治ったからといってケアを怠ると、ニキビ跡(痕)が残ってしまうかもしれません。ここでは、ニキビ跡(痕)ケアのポイントを紹介します。
新たなニキビ跡(痕)を作らないためには、ニキビを悪化させずに治さなければいけません。ニキビが跡(痕)になる原因は炎症です。炎症が重ければ重いほど、ニキビ跡(痕)が残る可能性が高まり、その跡(痕)も深く、治りづらい状態になります。
ニキビの炎症は、塞がった毛穴の中でニキビ菌が増殖することで生じます。毛穴の詰まりは、角質の肥厚化や皮脂の過剰分泌が主な原因。それらを起こさないケアをしましょう。
予防策として大切なのは、思春期ニキビは適切な洗顔、大人ニキビは保湿ケアです。肌が乾燥するとバリア機能が低下するため、肌を刺激から守ろうとして角質が厚みを増し、毛穴を狭めてしまいます。
ニキビ跡の赤み部分に紫外線を浴びると、炎症が治まるのが遅れ、赤みがある状態が長引いてしまいます。また、色素沈着部分も、紫外線があたるとメラノサイトが活性化し、メラニンを放出するので、より治りにくくなります。
紫外線は、ニキビ跡(痕)に限らず、様々な肌トラブルの原因になるので、確実にブロックしなければいけません。但し、肌に負担をかけないように、なるべく低刺激な成分で作られている日焼け止めを使いましょう。
肌表面の古い角質を落としてターンオーバーを促すピーリングは、特に赤みや色素沈着によるニキビ跡(痕)に効果があります。また、毛穴に皮脂が詰まっているだけの初期段階のニキビにも効くため、炎症性ニキビの予防にも効果的です。
ニキビ跡(痕)は、炎症の度合いが重ければ重いほど治りづらくなります。完全には消えずに残ってしまうケースもあります。
本来ニキビは、炎症や化膿を起こした状態で、いきなり発生するものではありません。初期段階で治しておけば、ニキビ跡(痕)はできない、あるいはニキビ跡(痕)になったとしても、自然に消えていく程度で済みます。
ニキビ跡(痕)の一番の対策は、「ニキビをつくらないこと。ニキビを悪化させないこと」なのです。