コンプライアンスは、日本語になおすと「法令順守」。つまり法律とか、常識とかに触れないようにしなくちゃいけないってこと。
でも、法律そのものが怪しい。自衛隊だって、憲法だって、解釈の仕方でって言うか、安倍首相の考え方次第で変わっちゃう可能性がある。つまり、ルールが曖昧だ。
「コンプライアンスを守ります!」って宣言しても、その守り方が分からない。何がOKで、何がアウトなの? 教えてくれっていうこと。
この間、高校時代の友達と一緒に「シーシャ」っていう「水タバコ」のカフェに言ったんだ。水タバコっていうのは、長いパイプで煙を水に通して吸うタバコの吸い方。水でニコチン、タールが大分軽減されるから、普通のタバコより体に影響は少ないらしい。
だけどね、吸ってるところの写真を見ると、どう見ても怪しい(笑い)。その場面を、もし写真誌に取られたら「淳!くすり!」っていう、センセーショナルな記事ができあがることが容易に想像できる(笑い)。
それで念のため、吉本興業に「水タバコはコンプライアンス的に大丈夫ですか?」って、お伺いを立てた。そんなことしたの初めてだけど。それで「全然、問題ありませんよ」ってお墨付きをもらった。
お店の人も「芸能人で、水たばこ吸っているところ、写真撮ってもOKって言う人は淳さんくらいですよ」って笑っていた。それくらい怪しいから(笑い)。
だから「水タバコは合法」ってことを示して、友達と一緒に吸っている写真をスマホで撮ってきた。やましいことのない証拠だ。ただ、見た目がアウト(笑い)。
だから自分から、あえて発信した方がいいと思ってさ。だって、この水タバコのフレーバーってJTも関わっているんだよ。JTも禁煙の啓発活動ばっかりじゃなくて、水タバコの普及も頑張らなくちゃ。もう俺は、「水タバコを推奨する人」としてやって行こうと思っている。見た目は怪しいけど、コンプライアンスは「大丈夫ですよ」って。
このごろ、友達と話していても「コンプライアンス」って言葉が、どっかしらに出て来るよね。みんな、簡単に口にしちゃう。でも、それって順番が違うと思う。
まずやりたいことがあって、それについてあれこれ考えて、最終的に法律に触れることになっちゃうんだったら、あきらめなくちゃいけないけど、最初から「もしかしたら法律に触れるんじゃないかな」って思考停止するのは、一番よくないことだと思う。
俺、街中でオシッコをするには、どうしたらいいかって考えてみたんだ。街中で、おチンチン出してオシッコしてたら捕まるよね。だから、大人用オムツをはいて、中にするんだったら街中でもいいと思ってね。
排尿をコントロールできなくなる老後のための研究っていうことで、渋谷のスクランブル交差点や、東京タワーのところで、大人用オムツにオシッコをしてみた。それならコンプライアンス違反じゃないからね。立ちションだと駄目だけど。これで法律を守って、街中でオシッコが出来ることが証明された。コンプライアンスはセーフ。あとはモラルの問題だから。
だけど、俺、モラルなんて、もともと、ねえから。だから、芸能界に入ったんだから。
芸能界入って、こんなにモラルを求められる仕事になると思わなかった。考えてみると、どうしようもないクズみたいな人間なんだから(笑い)。だって、なんか、ひと山当てようと思って大学にも行かないで人を笑わせて、お金もうけをしようみたいな考えに至る訳ですよ。その時点で、もう逸脱してるわけですよ、すでに。
今までで一番、やばかったのが、警察ともめた時。
うちの後輩が、駐車禁止の切符を切られた時、それをツイキャスで実況中継しながら「なんで駐車禁止の時間が過ぎるまで、黙って見ていたんですか」って追及したの。「時間がオーバーしますよって言ってくれれば」って質問した。
「公人を配信するな」って言うから「公人を撮っちゃいけないんですか? ルールをはっきりしてくれ。本当に駄目なら、止めますから」って言ったら、「聞いて来る」って、いなくなっちゃった。警官が3、4人いたんだけどね。なんで無線で聞かないんだよ(笑い)。
俺がはっきりしたかったのは、駐禁の罰金はしょうがない。では、ツイキャスの生配信はいいのか、悪いのか? っていうこと。結局、返って来た答えは「路上で、生配信するのはともかく、ライブのチケットを売るのは駄目」というものでした。そう、自分たちのライブを路上で売るのに、車を止めていたんだ。それは謝ります。
でも、世間一般には「警察ともめた淳は、生配信したことを謝った」と思われている。そこはわびようとは思ってませんから。まだ、ルールについて、ちゃんと言ってくれてないですからね。
もう1度ちゃんと、路上でチケットを売っていたことについては、警察の方々に迷惑をかけてしまったことを謹んでおわびします。あとレギュラー番組の関係者にも迷惑をかけたことは、しっかり謝罪しました。
まあ、俺がツイッターやツイキャスみたいなSNSをやるのも、あまりコンプライアンスに縛られないからなんだ。(取材・小谷野俊哉)
ニッカンスポーツ・コム「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」