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【スポーツ】

[ラグビー]エディーJAPAN 2019年へのレガシー(下)

2015年10月16日 紙面から

ジョーンズHCの後任にあげられる、パナソニックのロビー・ディーンズ監督(ことし2月のトップリーグ表彰式で)

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 「今回3勝できたから、次は8強へ行けると考えたら甘い。世界で勝つことはそんなに簡単なことじゃない」。ワールドカップ(W杯)1次リーグ最終戦で米国を破った試合後、FB五郎丸歩(29)=ヤマハ発動機=は言った。4年後のW杯は日本で開催される。13日の帰国記者会見で、日本代表の岩渕健輔ゼネラルマネジャーは「19年W杯では当然、それ以上の成績を残さないといけない」と話した。難しいからこそ、今回の成績を得る過程でつかんだ選手たちの自信と世界からの評価というレガシー(遺産)は、次に向けて生かさなければならない。

 注目は、退任するエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)の後任選びだ。日本協会の坂本典幸専務理事は先に英国で「後任候補は、外国人と日本人合わせて60人リストアップしている」と話したが、その発言を伝え聞いた選手たちには当惑の色が見られた。

 選手から聞かれたのは「国際経験のある人を」という希望だ。ジョーンズHCには、オーストラリア監督としてW杯準優勝、南アフリカのアドバイザーとしてW杯優勝という、国際舞台での圧倒的な実績があった。今大会期間中も対戦相手やレフェリーとの駆け引き、情報収集、メディアを通じた情報発信など、豊富な国際経験に裏打ちされた能力がいかんなく発揮された。大学やトップリーグなど国内で実績を残しただけの指導者が「候補」に挙がることに、選手は違和感を覚えるのだ。

 現状で、ジョーンズHCの後任候補は、元オーストラリア代表監督で、スーパーラグビーではクルセーダーズを5度の優勝に導いたパナソニックのロビー・ディーンズ監督(56)、ニュージーランドのITM杯で4度の優勝、アイルランドのマンスターで欧州最優秀コーチ賞に輝いたNTTコムのロブ・ペニー監督(51)ら限られた人数しかいない。19年に向けた後任選びが急務な一方で、今後は日本人指導者育成も課題だ。来年から参戦するスーパーラグビーでは、日本人指導者に国際経験を積ませることも重要なテーマとなりそうだ。 (ロンドン大友信彦)

 

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