バレ＆山田がお目覚め！！　２人で５安打で難敵マイコ撃破！！

　クライマックスシリーズ（ＣＳ）ファイナルステージ（６試合制）は１５日、セ、パ両リーグともに第２戦が行われ、パはリーグ２連覇のソフトバンクが３位ロッテに６−１で勝ち、２連勝。ソフトバンクには、リーグ優勝による１勝のアドバンテージがあり、１６日に勝つか引き分けると日本シリーズ進出が決まる。セはヤクルトがレギュラーシーズン２位の巨人を４−０で初白星。対戦成績は１勝１敗だが、ヤクルトにアドバンテージがあり１勝差でリードした。

　ヤクルトが快勝した。４回に犠飛と野選で２点を先取。６回にバレンティンの中前打で２点を加えた。ともに川端、山田の安打でつくった好機だった。小川は低めを丁寧に突いて８イニング５安打無失点でＣＳ初登板勝利。９回はバーネットが締めた。巨人は２回１死満塁を逃すと小川を攻略できなかった。マイコラスは要所で制球が甘かった。

　　　　　◇

　東京音頭が神宮球場にこだました。セ界を制した強力打線のお目覚めだ。川端、山田、畠山の“打撃３冠トリオ”で先制すると、眠れる主砲・バレンティンまでが猛打賞２打点の大暴れ。シーズン中３戦３敗、対戦打率１割７分６厘の天敵・マイコラスを木っ端みじんに粉砕して、前夜の借りをきっちり返した。

　「シーズン中苦しめられたけど、やっとやっつけてくれた。バレンティンも３安打、山田も２安打出て良かったね。やっぱりヒットが一番のくすりだから。みんな明日以降も期待できそう」。意気揚々と引き揚げる真中監督の声も自然と弾んだ。

　口火を切ったのは、シーズン中９打数無安打とマイコラスに手も足も出なかった川端だ。「中４日のせいか、スピードが出てなかった」。４回、６回と先頭で右前打。もちろん、この男も黙っていない。前夜は４タコの山田だ。「いつも通り打っただけ。特別なことはしてない」。さらりと言ってのけたが、川端に続けと汚名返上のヒットを重ねた。そんな２人が演出した４回無死二、三塁では４番・畠山が打点王の面目躍如。「８、９割点が入る場面。ヒットはいらないから、二ゴロか右飛で１点入って１死三塁にすればいいと、プレッシャーをかけずに打席に入った」。狙い通りの先制右犠飛にしてやったりの表情を浮かべた。

　さらに、首脳陣を安堵（あんど）させたのが悩める主砲・バレンティンだ。６回１死満塁。気負うことなく「コンパクトに振った」と中前打を放ち２点を追加し、巨人の息の根を止めた。８回にはバットを折りながら左翼線二塁打。「１本目が出たことで肩の力を抜いて打席に入ることができて、２、３本目につながった。今夜、ヤキニクディナー、スゴクオイシイ」。“６０発男”はお立ち台で満面の笑みだ。

　これでアドバンテージを含めて２勝１敗。真中監督は「先を見ず１戦ずつ戦うだけ」と平静を装ったが、その口元は自然と緩んでいた。（竹村和佳子）