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強姦事件で服役3年半、再審無罪確定 裁判長謝罪「苦痛与えた」

 少女だった親族女性に対する強姦と強制わいせつの罪で懲役12年の有罪が確定し、約3年半の服役後に被害証言が虚偽だったとして釈放された男性(72)の再審公判の判決で、大阪地裁は16日、無罪を言い渡した。大阪地検は判決後に上訴権を放棄し、無罪が確定した。

 芦高源裁判長は言い渡しの最後に「身に覚えのない罪で長期間にわたり自由を奪い、計り知れない苦痛を与えた。裁判官として残念に思う。(今後は)被告人の言葉に真摯に耳を傾け審理したい」と謝罪した。

 男性は判決後の記者会見で「当然の判決だ。裁判長の『残念』の言葉だけで済まされては日本の司法はいつまでたっても成長しない」と話した。弁護側は冤罪を生んだ裁判所や検察、警察の責任を追及するため、国や大阪府を相手に国家賠償請求訴訟を起こす方針。

 事件をめぐっては、女性が昨年6月ごろ、男性の弁護人に「被害証言はうそだった」と告白。再審請求を受けた大阪地検も再捜査で女性や目撃者とされた女性の兄の証言が虚偽だったと確認し、「性的被害を受けていない」という診療記録も入手した。

 芦高裁判長は判決理由で、女性と兄の供述の信用性を検討。診療記録のほか、犯行現場とされた自宅の大きさといった客観的な状況から、元被告を加害者とした2人の過去の供述は信用できないとした。一方、新供述は、偽証罪に問われる可能性がある中でうそだったと明かしており、信用性が高いと判断した。

 地検は昨年11月、冤罪が明らかになったとして刑の執行を停止して釈放し、地裁が今年2月に再審開始を決定。8月の初公判では検察側が無罪を求め、男性に謝罪していた。

 男性は、当時10代だった同居の女性に乱暴したほか、胸をつかんだとして2008年に逮捕、起訴された。一貫して否認したが、一審大阪地裁が有罪と判断し二審大阪高裁も支持。11年4月に最高裁の上告棄却で刑が確定し服役した。

[ 2015年10月16日 18:16 ]

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