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【北朝鮮拉致】「朝鮮にさらわれるぞ」石川で広がっていたウワサ 危機感生かせず、相次いだ失踪

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【北朝鮮拉致】
「朝鮮にさらわれるぞ」石川で広がっていたウワサ 危機感生かせず、相次いだ失踪

地図を見ながら説明する特定失踪者、坂下喜美夫さんのおい、金上さん(中央)=7日、石川県七尾市

■懸念される記憶の風化

 現地調査最終日の9日には、福井県で調査が行われた。三国町では、昭和41年に行方不明になった丸山善昭さん(72)=失踪当時(22)=の失踪当時の足取りなどについて調べた。

 丸山さんは失踪当時、漁船員として勤務。調査会は漁協や海の近くにある商店などを回ったが、当時の様子を知る住民はすでにおらず、新たな情報を得ることはかなわなかった。

 福井県越前市で9日に開かれた記者会見では、調査会の役員らから、時間の経過が事実解明を困難にしていることへの懸念の声が上がった。

 杉野正治常務理事は今回の調査事案について、「古い事案が多く、証言してくれる方がだんだんいなくなっている。街の様子も一変して当時の面影がなくなっている中での調査となった。非常に焦りのようなものを感じた」と話した。荒木代表も丸山さんの調査に触れ、「記憶すら消えかかっていることにかなりショックを受けた」という。

 拉致事件発生から長い年月が過ぎ、政府認定の拉致被害者の家族が近年相次いで亡くなっているが、拉致の可能性を排除できない特定失踪者に関しても状況は同様だ。昨年7月に始まった拉致被害者らの再調査の回答を遅らせるなど、北朝鮮が不誠実な対応をとり続ける中、拉致問題の風化は確実に進んでいる。

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