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【東日本大震災】経産官僚 ブログで復興批判 「被災地軽視」強まる不信経済産業省キャリア官僚の後藤久典氏(51)が東日本大震災からの復興をめぐり、ブログに不適切な書き込みをしていた問題で、政府は二十六日に停職二カ月の懲戒処分にした。被災地を踏みにじるような書き込みは、六月に復興庁参事官の行為が発覚したばかり。政府は「復興を最優先する」と強調するが、被災地の不信感が強まるのは確実だ。 菅義偉(すがよしひで)官房長官は二十六日の記者会見で「国家公務員としてあるまじき行為で、極めて遺憾だ」と後藤氏を強く批判。記者から更迭かと問われると「そうだ」と明言した。 後藤氏は二年前、匿名のブログに「復興は不要だと正論を言わない政治家は死ねばいいのに」「ほぼ滅んでいた東北の過疎地で、じじぃとばばぁが既得権益をむさぼるために」などと書き込んだ。政府は特定された二十五日の当日に、日本貿易振興機構(ジェトロ)に出向して担当していた万博関連の役職を解任した。 復興庁参事官が市民団体を「左翼のクソども」などと中傷した書き込みをしたのは今春。六月に発覚後、約一週間で停職三十日の処分とした。今回の対応の速さや処分の重さ、菅氏の言葉の強さは危機感の裏返しだ。 復興では官僚の書き込みのほか、復興予算の流用問題も問題化。政府の復興への本気度には疑問符が付きまとう。政府は消費税増税に合わせ、復興特別法人税を前倒しして廃止する方針で「被災地軽視」との批判を弱めるためにも書き込み問題を早く沈静化させたい思惑がにじむ。 政府は七月、ネット上での書き込みなどに関し、国家公務員として信頼を損なわないよう注意を促す通知をした。今回の問題発覚を受け、全府省庁に再発防止策を徹底する。 (後藤孝好) PR情報
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