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小児慢性疲労症候群の患者が2種類の作業を同時実施したときの脳画像。赤色や黄色の部分が過剰に活性化している。画面左が脳の左側、画面右が脳の右側(理化学研究所提供)
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小児慢性疲労症候群の患者が2種類の作業を同時実施したときの脳画像。赤色や黄色の部分が過剰に活性化している。画面左が脳の左側、画面右が脳の右側(理化学研究所提供)
水野敬・上級研究員
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水野敬・上級研究員

 【治療効果検証に光】

 原因不明の疲労が3カ月以上続く「小児慢性疲労症候群」の子どもが2種類の作業を同時に行う場合、健康な子どもよりも過剰に脳を使う仕組みの詳細を、理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター(神戸市中央区)などのグループが突き止めた。研究成果は診断や治療効果の検証に役立つ可能性がある。オランダのオンライン科学誌に発表した。

 これまでの研究で同症候群の患者は2種類の作業を同時に行う際、健康な人が使う左脳だけでなく、右脳も使うため疲れやすいことが判明していたが、詳細は未解明だった。

 グループは小学5年~中学2年の患者15人と、同学年の健康な13人の脳の働きについて、血流を含め画像化する機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)で比較。ひらがなの文章から母音を見つけ、内容も理解する作業をした結果、健康な子どもは文章の読み取りなどを担う左脳の前頭葉を主に使うのに対し、同症候群の患者は左脳に加え、通常は判断を担う右脳の前頭葉など複数の部分を過剰に活性化させていた。右脳の前頭葉は主に、内容理解の際に働いていた。

 同センターの水野敬・上級研究員は「2種類の作業をしても左脳だけで対応できて疲労を緩和する治療法の開発に役立てたい」と話す。(金井恒幸)

  
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