厚生労働省が5日発表した毎月勤労統計調査(速報値)では、名目賃金にあたる8月の現金給与総額は前年比0.5%増の27万2382円だった。実質賃金指数も0.2%増え、ともに2カ月連続のプラスだった。夏のボーナスも含めた最近3カ月合計の賃金は前年に届いておらず、個人消費の下支えにつながるかは見通せない状況だ。
8月の賃金が堅調だったのは、残業代などの所定外給与が前年に比べ1.5%増と伸びたため。基本給を示す所定内給与も23万9714円と0.5%増えた。
一方、夏のボーナスは振るわない。企業がボーナスを払う6~8月の「特別に支払われた給与」の合計は前年より3%以上減少した。この影響で6~8月の現金給与総額は0.6%減、実質の指数でも1.0%減った。
経団連は夏のボーナスが前年比2.81%増だったとの調査を公表しており、厚労省の統計とはずれがある。SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「中小企業や非製造業のボーナスが、弱かったことが考えられる」と分析している。
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