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電子書籍の印税だけで年間100万円稼ぐマンガ家をみんなで生み出すプロジェクトをはじめるよ

ブログ

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こんにちは、電子書籍まとめサイトkindou.info)の与太話、きんどうりさいくるのお時間です。

表題のとおりなのですが、電子書籍だけで年間100万円の印税を稼げる作家さんをみんなで生み出そうという計画をたてようと思いまして。具体的にはマンガ家さんが書いた作品を「おまえをベストセラーにしてやろうか!」と、出版と関係ない他業種で新しい電書の売り方を模索できればなぁと。

そこで本記事を通じて地獄の悪魔と手を結ぶマンガ家さんと疲れ知らずの広告屋、そして出版他業種の営業マンといった特攻野郎を集めたいというのが本記事の趣旨です。

なんでこんなことするのかといえば【このまま日本市場が版社主導ですすむと、電子書籍は紙の代替でしかないから、そう遠くないうちに市場が縮小しそうなんで読者に近いコンテンツ・クリエイター側でもっと混沌を生んだ方が面白い】なんてのが理由です。

まぁ、どうせやるなら「面白おかしく金儲け」したいもんで、出版とは無関係な業界の人が絡んでおとなげないことをやっていきたいなと。わたしはAmazonアソシエイトで自メディア経由で売れた8%以外はいらないので、お金を生むためにいかにマンガ家・作品を盛り上げてくか!ってのが味噌かな。また、本企画をたたき台に色んな人がプロジェクトを立ち上げていってくれればと考えています。

それでは、企画背景や具体的な流れなどについて述べていきます。ちなみに、本企画名は今のところ「おとなげない計画」なんて考えてます。

出版社主導じゃない電子書籍の流れをみんなで生み出す「おとなげない計画」 

まず知っていて欲しいのですが、アメリカなど海外の電子書籍は個人出版がリードして盛り上がっているのですが、日本は出版社主導で市場が作られています。

先日、ネットでは【アメリカの電子書籍市場が大失速(参考:現代ビジネス)】なんて話題になりましたが、Kindleストアでは売上の58%が個人出版に関わらず電子書籍市場の売上としてはカウントされていません( 参考:hon.jp)。ちょっとデータ見つかんないのですが、年々大手出版社の電子書籍のシェアは減少し続けてるんですよね。

なんでまぁ、アメリカ含め諸外国で電子書籍が失速したというのは実態に即してないのですが……日本の場合は完全に出版社のコンテンツ独壇場なんで、ちょっと将来的な事情は変わってくると思われます。

紙の代替としての電子書籍は紙の市場を塗り替えるだけで紙を超えてはいけない

もしかしたら電子書籍のユーザーが増え続けて紙の市場を食い破ってなお成長を続けて、現在の電書1300億円 紙1.8兆円 → 電書2兆円なんてなるかもしれないけども多分ないでしょ。

あくまでも今の日本の電子書籍は紙の代替でしかないので、遠くないうちに出版市場の縮小にあわせて同じように停滞するんじゃないかな。

では、これを打破するために出版社や他に無料コミックアプリビジネスが何かしてるのかというと、今のとこ目立ったものはないかな。それは彼らの収益の上げ方と電子書籍でヒット作を生み出すために丹念なプロモーションを打つというのは根本的なズレがあるんですよ。

電子書籍は出版社が本気になるにはビジネスとしてこれからも小さすぎる

本企画の前身として、きんどうは11月30日で3周年になるので、4年目に向けた動きとして個人で電子書籍の印税4000万円を稼げる作家を作るプロジェクトを立ち上げようと出版社さんに声かけしてたんですよ。

なぜ4000万円なのかって言うとですね。2012年の段階で在日アメリカ人の作家さんが米Kindleストアで個人出版した官能小説の印税が年間4000万円でした。 → 参考:きんどうインタビュー

日本とアメリカの電子書籍の差は3〜5年くらいあるので来年には日本でも同じように稼げる人が生まれているはずなんですが、今年9月にわたしが自分で出した電子書籍Kindleストアで総合1位をとって印税20万円くらい。

このままクリエイターがまともに食えない電子書籍というのはアメリカの事例を考えるとマズイなーと思って。でも、わたしができるのは売れる方法を考えるくらいなんで、じゃあ出版社さんと組んで素材となるコンテンツやマンガ家さんのプロモーションを一緒にやりましょうーという話をしてまわったわけですよ。

出版社としても電書のプロモーション方法に困ってるという話をよく聞いてたので、これでもわたし電子書籍のプロモについてはちょっとしたもんなんで。で、作品や個人のブランディングなどネットを使ったことを続ければ出版社内にもノウハウが溜まってWin-Winかと。

で、ちょっと意見聞いてみたら出版社の規模が大きすぎることもありましたが【印税4000万円は紙ならすぐに行くのでわざわざ電書に注力することはない】という話になりまして。

もうね、わたしこれでも恐らくは日本で一番電子書籍の販売に貢献してる個人ですよ。1作品あたりで数十〜数百、総数なんてもうhy(ry あと数年で電子書籍市場の1%くらいきんどうで取るよ!なんて息巻いてますが出版市場全体で見ると……まぁねぇ。真面目に人員割いてやるほどのことはないんですな。

知恵を絞って1作品を100冊売るより、30作品を2冊でもうち1作品で1000を狙うのが出版

お金のつくり方で言えば、紙はほんとギャンブル。全国1万4千の書店と3000館の図書館に売れる/売れないにかかわらず刷って配ってたまの超大当たりでペイさせるというモデル。なんで他業種のように知恵を絞って売れる確度を上げる必要はないわけ。

実際、今の出版市場はどう考えても制作点数と営業人員は釣り合ってないですしね。大手だと毎週100〜200冊くらい発売されますが、それに1つ1つ注力はできないですし。

モノの売り方としては雑ですけど……進撃の巨人一発当てればひっくり返せますから問題ないわけです。

そんなところにだ「電子書籍で丁寧な売り方を心がけて、作家さんが儲かるようなモデルを作って全体のパイを広げましょう!」っていってもトンチンカンすぎるんですね。

日本の電子書籍で儲かるのは薄利多売で稼ぐ電書ストアと出版社だけ

KindleKoboなど電子書籍というビジネスは配信コストが低いので大量にでればでるほど儲かります。1作品を100と100作品で1はおんなじですからね。

クリエイターの立場で見れば1か100ととんでもない話だけども、じゃあクリエイター全員が儲かるように電書ストアや出版社が頑張れるかというとそもそも儲けの仕組みが違うから割りにあわないんですよ

例えると100均ショップは儲かってるけど、特殊なハサミだけを卸している業者はそんな儲からない、みたいな。じゃあ、ショップがハサミフェアを打つかってのは稀だよね。 

だったらきんどうが踏み込んで制作・編集機能を持って自レーベルを作って出版社やればいいじゃないか!なんて話は「寿司屋やるために養殖業に乗り出そう」みたいなオーバーワークなんですよ。そりゃうちだって、市場にでてるモノを選んで、むしろ進撃の巨人紹介して8%稼いでるほうがよほど楽ですよ。

まあ、なんで、今うちが最も得意とする『売るための筋道づくり』だけに特化して、それ以外のコンテンツ供与してくれるプロ・アマのマンガ家さんと、出版業界とは別の考え方を持つ広告屋・営業マンで集まって寄ってたかって電子書籍界の最前線中の最前線、Kindleストアコミックカテゴリーのベストセラーに乗り込んでいければ!……面白そうだなと考えています。

長くなったので続きは明日書く。とりあえず以降の流れ

1.なぜ他業種の広告屋・営業マンがいいのか。
→ 日本と海外の違いはエージェントの存在。一番大事なプロモーション機能が日本にないから個人市場が育たない。だからクリエイティブエージェンシーという仕組みを用意すればなんとかなるかなと。

2.何をしてどう儲けるか
→ マンガ家個人は電子書籍を売って印税稼ぐ。きんどうはメディアを使ってアフィで儲ける。広告屋はマンガ家と直契約(出世払い方式?)。他業種の営業マンはウチと同じくアフィで儲けよう。
→ 恐らくそんな大儲けするようなモデルには数年はなりえないので、趣味の範囲内で大人気なくスキルを振るって個人マンガ家さんの作品のランキングを思いっきり跳ね上げて大手の作品をぶち抜いた結果見てゲラゲラ笑うくらいがちょうどいいと思う。
→ きんどう儲けてるんだから、お前が金だせってのは……実際、金を出すだけなら全然構わないのだけど明細作って領収書発送や源泉徴収などの事務作業を毎月やってなんて絶対にイヤだ。関係者それぞれでお金のやりとりとか事務作業は基本せずに、各員が己の領域で勝手に儲けるのがベターと考えてる。それまでは手弁当も辞さないくらいがいいんちゃう?

3.具体的な方法
→ 第1弾は、2ヶ月に1度くらいのペースで旬のグルメネタを16Pのモノクロマンガにしてマンガ家さんに個人でKindleで売ってもらう。1月『餅』がふさわしいかなと。発売までに集まった作品を盛り上げるよううちは表のメディアとバックの仕組みを育てるし、広告屋さんは各マンガ家さんとタッグを組んで主にコピーづくり。他業種の営業マンさんは、自分でもブログやTwitterを立ち上げてもらって各マンガ作品を商材としてとらえてどうやったら売れるかを考えていってもらいたい。

出版とは無関係なプロたちが寄ってたかって大人気なく個人のマンガ家に力を貸して、いつかスゴイメジャー作品が生まれたら、そのマンガ家さんの奢りでみんなで飲めたら楽しそうだなと、ゆるく考えてます。

こんなマンガ家さんと

ここはAmazon…作戦地区名 キンドル 電書界最前線中の最前線!地獄の激戦区コミックカテゴリー!! ベストセラーにつらなる運はすべて読者の気分まかせ!! おれたちゃ、出版社と手をきって、地獄の悪魔の手をとった… 命知らずのマンガ家!! 

こんな広告屋・他業種の営業経験者

他業界でならした俺たちは、仕事に疲れてもマンガを読むことは欠かさない。しかし、読んでるだけで満足するようならプロじゃない。興さえ湧けばで何でもやってのける命知らず。不可能を可能にし、おまえをベストセラーにしてやる、俺たち、おとなげないマンガ読み!

で無敵合体したいなぁと。あと、実際のところ電子書籍の分野におけるクリエイティエージェンシーというモデルについては発展の余地があると思うのでおいおい書きます。興味のある方は最近配信されたFIATのカタログ(無料)と徳間書店キットカット本(107円)を見といてください。これ、もっと広げていけると思うんよ。