2015/10/15(木曜) 22:37

アメリカとインドの合同軍事演習への日本の参加

アメリカとインドの合同軍事演習への日本の参加

ガッファーリー解説員
日本の海上自衛隊が、14日水曜、インド洋に入り、アメリカとインドが行っている合同軍事演習に加わりました。この演習は「マラバール」と呼ばれ、ベンガル湾周辺海域で行われています。

 

アメリカとインドの海上合同軍事演習「マラバール」は、毎年インド洋で開催されていますが、日本は、安全保障関連法の成立以来、初めて、この演習に参加しています。
この演習で海上自衛隊の護衛艦「ふゆづき」が、アメリカの原子力空母「セオドア・ルーズベルト」や原子力潜水艦がインドの艦船と共にこの演習に参加することは、日本の軍事計画が実施段階に入っていることを示しています。これらの艦船の戦闘能力を測ることで、3カ国は、軍備や兵力に関する有益な情報を得ることができるでしょう。
インドは、エネルギー、経済、軍事の3つの分野でアメリカと強固な関係を有しています。核兵器を保有するインドは、日本と核協定を締結できるようにするため、状況が整えばNPT核兵器不拡散条約に署名すると約束しています。
また、政治、安全保障、軍事・防衛計画におけるアメリカと日本の同盟関係は、軍事演習など合同で行う措置に関して協議を行う必要がないことを示しています。つまり、両国の方針の統一により、合同演習や高いレベルでの政治・安全保障に関する共通の措置は、戦略的な関係において通常のこととなっています。
今回の演習が行われているインド洋、特にベンガル湾は、中国の軍艦や商船が航行する場所となっています。中国は、インド洋で盛んな活動を行っていますが、それだけで、今回の演習が中国の予想される脅威に対抗するためのものだと判断することはできません。しかし、日本と中国の領土問題、またインドが中国と3000キロメートル以上の国境を接していることに注目すると、海上の戦闘能力の向上を目的にした今回の演習は、有事のときのためのものだと言えるでしょう。さらに、中国とアメリカの間にも対立があり、アメリカと中国の間で、国外の利益を巡る戦争が起きないとも限りません。
中国はこれまでのところ、この演習に対して反応を示していませんが、東シナ海や南シナ海におけるアメリカやライバル国の存在を懸念しています。中国は以前、アメリカとその同盟国に、海上の軍事化はどの国の利益にもならないと警告しました。
地域や世界の情報筋は、アメリカ、インド、日本の3カ国による合同軍事演習は、中国の脅威を想定したもので、中国の反応を招く可能性があるとしています。

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