おはようございます。元少年Aです。
晩秋の朝、御目覚めいかがですか?
1


触角ポーズ
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たくさんのメールをお寄せいただき、ありがとうございました。
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ホームページ上にFAQコーナーを設けようかとも思ったのですが、想像に反して真摯な内容のメールが多かったため、誰でも気軽に覗けるホームページ上ではなく、元少年Aとよりディープに、魂の触角と触角が絡み合うようなやり取りができるよう、新たに別な場所を設けることにしました。
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プライバシーに配慮し、一般の方に関しましては明らかにハンドルネームとわかる場合を除き頭文字表記or任意の呼び名とさせていただきました。
すべてのメールにコメントできるわけではありませんので、あらかじめご了承ください。

このブロマガは隔週月曜日に発行します(次回発行は10月26日です)。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

#001
元少年A様

はじめまして。
フリーライター渋井哲也と申します。
ホームページ拝見しました。

私は、事件当時、長野県で新聞記者をしていました。声明文にあった「透明な存在」というフレーズが気になり、中高生にそのフレーズの印象を取材していたのを記憶しています。

また、その後、事件に関して様々な考察がされるなかで、それらの言説を当事者ご本人はどう思っているのかも気になっていました。

「絶歌」も読ませていただきました。もちろん、元少年A様がどのようにあの事件を整理しているのかも関心がありました。ただ、当時、冤罪説がありまして、そのことについてどう考えているのかも知りたいと思ったのですが、それについては触れていませんでした。

また少年院内での生活についても知りたかったのですが、そこは触れることがなかったのは、何かの配慮なのかと思った次第です。

ご著書を拝読しての私のなりの考察があります。

http://magazine-k.jp/2015/07/13/zekka/

私の希望として、私の考察について、何か話ができないものかということです。お会いすることができれば幸いですが、いかがでしょうか?

***

渋井哲也様

はじめまして。
メールありがとうございます。

「冤罪説」って、けっこうマジで主張している人が多いんですか?
僕は自分のやった行為の鮮明な記憶をほとんど身体器官の一部のように知覚しているため、「冤罪」といわれてもピンとこなんですね。
本で触れなかったのは単に「冤罪説」に興味がなかったからであって、正直どうでもいいというか・・・

『絶歌』に関する記事も拝読しました。
かなりきちんと読み込まれたのですね。

――彼には病識がないのではないか。つまり、自分は精神を病んでいないと思っているのではないか。――

と書かれていましたが、確かに僕は精神鑑定においては「精神病ではなく、それを疑わせる症状もない」と判断されていました。
でも、自分が健常者であると思ったことはありません。
専門家から統合失調や精神病質、アスペルガーを疑われることもありますが、僕の抱える異常性の本質は、異常性そのものよりも、異常さと、同等かそれ以上のまともさの“ギャップ”の部分にあるのではないかと自分では感じています。
部分的には、普通以上に普通な感覚も持っています。明らかに病理性を感じる部分もあります。それは誰でもそうなのかもしれませんが、僕の場合は他の人たちと比べてその落差が激しすぎるのかもしれません。

図書館の『絶歌』への対応に関する渋井さんの考察は的を得ていて面白いです。
この本をどう受け止めるかは、もはや僕個人の問題ではなく、全ての「元加害者たちの表現」にまで関わってくるのかもしれませんね。

あと、関係ないですが、松本麗華さんのインタビュー記事も興味深かったです。
彼女も筆舌に尽くしがたい苦しみを味わったのですね。
年齢にそぐわないその眼に苦難の色が滲み出ているように感じました。
富士宮市の総本部の荒れ果てた屋上。
白熱灯に吸い寄せられる無数の蛾。
柵を越え、死神と戯れる5歳の少女。
読んでいるだけで、その時吹いていた風の冷たさを肌に感じるような、切なくやりきれない風景です。
よく今日まで生き抜いたと思います。きっと芯の強い方なのですね。
僕はまだ彼女の本は未読なのですが、この記事を読んで、一読の価値はあるかもしれないなと思いました。
彼女の抱える過酷な宿命や「生きづらさ」は僕には想像もつきませんが、同じ世紀末を特殊な環境で過ごした同年代の者として、自分自身の「生きづらさ」と向き合うヒントになるかもしれません。

取材に付いては今のところはお受けすることはできません。
まずはここで意見交換をし、大きなリスクを冒してまであなたに会いたいと思えるようになれば、まったく実現不可能というわけではありませんが・・・
世間的に今は“WANTED!!”扱いですので、ご理解いただきたく思います。

元少年A

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

#002
初めまして

いきなりで失礼します。本に関しての質問です。

絶歌読ませていただきました。事件当時私は小学校三年生で神戸に住んでおりましてかなり衝撃を受けたのを覚えております。なので、本が発売されてすぐに購入いたしました。本に関しての感想になってないかもしれないですが、いい意味でも悪い意味でも、こんなに衝撃的で、心に残る本は初めて読みました。読んでからしばらくは眠れませんでした。
ここで質問なんですが、また本を出版されるご予定はございますでしょうか?

***
初めまして。
神戸の方なのですね。だとすれば事件の記憶も生々しく残っているかと思いますが、読んでいただけて嬉しいです。
しばらく眠れなかった?やはり、あの“魔のP62~63”が原因でしょうか?
この先また本を出版するかどうか、出すとしたらどんなものを出すか、今のところはまだぜんぜん未定です。

元少年A

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

#003
ギャラリー見ました

ナメクジアート、ちょっと独創的で面白いと思いました。
元少年Aさんはこれから一生を通して誹謗中傷を受け続けるのだろうと思いますが、そのことでまた道を違うことなく、そして何かを想像、創造することを続けて行ってください。
元少年Aさんが今後作りだす何かを楽しみにしています。

***

心強いエールをありがとうございます。
ナメクジアートを楽しんでいただけて何よりです。
僕にとってものを作ることは生理現象ですので、どんなに誹謗中傷を受けようとこれから先もやめられそうにありません。
どうぞ生温かい眼で見守っていてください。

元少年A

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

#004
ご著書「絶歌」と公式サイトを拝読して

「存在の絶えられない透明さ」ウェブマスター 様
はじめまして。私は、新潟青陵大学にて心理学を担当しております碓井真史と申します。
貴サイトに関しまして、マスメディアの方からの取材を受けた関係で、
一般の人より一足早く、サイトとメールアドレスを知りました。

ご著書とホームページを拝読いたしました。

ご著書の出版に関しましては、様々な意見があります。
出版に関しては、私も問題を感じざるを得ません。
しかし同時に、ご著書を拝読し、心震える思いを持ったこともまた事実です。
教育や少年司法に関わる人々には、ぜひ読んでもらいたいと感じました。

ホームページも、興味深く拝見いたしました。
インターネットは、たしかに自由な表現の場としては、良いものだと思います。

「ギャラリー」にある、昆虫のようなものが、祈っているように見える絵が、私は気になりました。
なめくじは、あなた自身の象徴なのでしょうか。
メイキングは、普通の人にとってはかなり気持ちの悪い画像でしょう。
「レビュー」を拝見し、私も「ひげよ、さらば」をアマゾンで注文しました。
「NIGHT HEAD」は、私も当時テレビで見ていて、とても印象的なドラマでした。
佐川一政さんに関するコメントも、納得させるものがあります。
さて、ホームページとメールアドレスを公開すれば、様々な意見が寄せられるでしょう。批判的な意見が来ることもご覚悟の上かと存じます。
犯してしまった犯罪事実は消えませんが、法的にはすでに終わっています。どうぞ、今後とも心穏やかに、そして優れた表現者としてご活躍されますことを、お祈りしております。
新潟青陵大学 碓井真史(うすいまふみ)

***
碓井真史様

はじめまして。
僕も碓井さんがWEBに書かれた、
『元少年A公式ホームページ「存在の耐えられない透明さ」全文を読んで:酒鬼薔薇事件は今も続いているのか』
を拝読しました。

「彼は彼なりに深く反省し後悔していると思います。」
「犯行当時の彼とは違い、今は人の優しさも彼なりに感じ取れるようになっているようです。」

と書いてくださっていたことが印象的でした。
普通、こういった行動を取れば「ほら見ろ、あいつは全然治っていないし、反省もしていない」という、判で押したような意見しか出ないものと思っていたのですが、碓井さんは人間全般への理解が他の人たちよりも一段深い方なのだなと、素直に感動したものです。

一つの行動やある一側面だけを見て、「こいつはこういう奴だ」と決めつけたがる人が多いですが、そういった人は誰かを憎みながら愛したことはないのか、傷付けながら抱きしめたことはないのか、笑いながら泣いたことはないのだろうかと、不思議に思うのです。

「ひげよ、さらば」は10数年前に一度読んだきりなのですが、かなり中毒性の高い文体で、最大の魅力は、まるで上質のギャング映画を見ているような、猫たちのクールで洗練されたリズミカルなセリフの応酬です。僕は途中で本を閉じることができず、少年院の独房で食事の時間も箸を片手に読み続けていました。ページ数は多いですが、アッという間に読み終わると思いますよ。

と、書いているうちに僕もまた読みたくなってきちゃいました(笑)

それにしても、「真史(まふみ)」ってユニセックスで美しい名前ですね。
ご両親のネーミングセンスが素晴らしいです。

元少年A

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

#005
はじめてメールを送付させていただく。

ご自身が、あのサカキバラであるならば
罪の償い方について一言申し上げる。
法的には、罪を償ったといえるかもしれないが、
ご自身のしでかした罪がこれから先も消えることはない。
ご自身は、2名の年端もいかない子供の命を奪ったでけでなく、
そのうち一人の首を切断し、小学校の校門にさらしたということを行っている。
(当時の報道での記憶だが・・)
以上のことで私はこう考える、
ご自身は、2名の子供の未来を奪っただけなく、
親がその子供たちに願っていた、想いまで踏みにじったのだ。
書籍を出して、「当時の自分の気持ちを理解してほしい」な どと、
言える立場にないことだけは明言しておく。
行った罪について深く反省して、
罪を一生背負って生きていくことを要求する。
反省のなかで、自殺したところで、
多くの人々及び、被害者遺族がご自身を許すはずがないことを
申し添えておく。

***

“禿同”です。

元少年A

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

#006
ギャラリーについてのご感想

元少年Aさん(Aさんとお呼びしてもよいのでしょうか…)

はじめまして。
都内に住んでいるOという者です。

ウェブのニュースから、あなたのホームページにアクセスし、いろいろなコンテンツを眺めました。
『絶歌』だけでなく、このサイトも大変な話題性のあるもので、たくさんのメールが届いていると思います。

さっそくですが、ぜひご感想を伝えたいと思い、こうしてメールを送ることにしました。
おおざっぱで、もしかするとピントがずれたものもあるかと思いますがご容赦ください。

まず、ギャラリーに掲載されているグラフィック作品の完成度の高さにおどろきました。
『絶歌』の心象風景や詳細な人物像の描写などから言語能力に非常に優れていると思っておりましたが、違いました。
そうではなく、芸術一般について豊かな感受性があるのだと思い直しました。

何かを嘆き、涙を絞り出しているような情緒の激しさが、Aさんの自己像でもあるナメクジのモティーフと奇妙に調和していて、脳裏から離れない強烈な表現になっていると思いました。
素朴な感想で恥ずかしいのですが、デッサン力や構成力の確かさがそれを可能にしているのだと思います。
線の太さや配色もバランスがよく、素直に頭に入ってくるものでした。

アエダヴァームはすごいです…強烈です。
端から流れ出ているのは精液でしょうか。
ここでは、『絶歌』でAさんのおっしゃられた「醜悪」や「貧弱」というよりも、
「生命」や「性」に近いものとしてナメクジが配置されているようで大変興味深かったです。

セルフポートレートも拝見させていただきました。
鍛えられ、皮膚の滑らかな美しいAさんの体と、チェストバスターやサソリといった醜悪なイメージがコラージュされていて、
この対称性は視覚的に面白いものだなぁと思いました。

陰陽(太陽と月)や五行(木・火・土・金・水)など原始的なモティーフが自画像に添えられているのも興味深いです。
母胎回帰に重なるものなのでしょうか…。

『絶歌』で断片的に示されていたテーマが視覚的に示されていて、大変面白い体験でした。
とりわけナメクジにはキャラクター性があると思いました。
第三者からは、こういって失礼にあたらないか分かりませんが、「キュート」なものにも映りました。

すみません、拙い感想を長々と書いてしまいました。
作家としてではなく、グラフィックデザイナーとしての側面を見ることができたのは予想外の芸術体験になりました。
その興奮のまま書き記しているもので、拙い文章になっているかと思いますが、なにとぞご寛恕ください。

それでは、失礼いたします。

O拝

***

O様

嬉しい感想、ありがとうございます。

「エイリアン」と言わず「チェストバスター」がすっと出てくるって、Oさんもギーガー好きですか?
『エイリアン』制作舞台裏に密着したドキュメンタリー映画『ギーガーズ・エイリアン』で、ギーガーが樹脂を捏ねながらひたすらエイリアンの成体「ビッグチャップ」のモデルスーツを造形するシーンは、見るたびに創作のモチベーションが上がります。
黙々とモノを造ることの楽しさを教えてくれるのです。
ペニスを基にしたといわれるあのビッグチャップの独特な形態は、クリーチャーデザインに革命をもたらしましたね。
グロテスクなのにエレガント。禍々しくも美しい。
ドラゴンボールZのフリーザ第3形態も、ギーガーのビッグチャップを参考にしたとか・・・

もともとグラフィックは、『絶歌』の表紙の作成のために2013年の冬頃から始めました(僕が考案したデザインは最終的に全部ボツりましたが・・・(T T)。
それまでパソコンで絵を描いたことなんてなかったので、無料の画像処理ソフトGIMPの技法書を買い込んで部屋に籠りっきりで勉強したものです。
僕はとにかく「線の表現」が好きで、自分なりに線描表現を極めたいと思い、コピー用紙何百枚に筆で線を描き、それをスキャンで読み込んで、大量に溜まった線の画像を、「このハネがいい」「このトメがいい」「このハライがいい」「このカスレがいい」と、数センチ単位で切り取って、数えきれないほどの線のパーツを組み合わせて1本の線を作り上げる技法に取り組んでいます。
ホームページにアップしたイラストはすべてそうやって描いたものです。

醜悪なナメクジも、寝食を共にしていれば自ずと「キュート」に見えてくるものです。

確かにOさんの仰るように、僕にとってナメクジは「生命」や「性」の象徴なのかもしれません。

アエダヴァームは、本当は2m×4mくらいの横長のキャンバスに思いきり描きたかったのですが、何せ場所がなくて・・・
場所の節約のためにデジタルに手を出しましたが、僕は元来、根っからのアナログ人間で、もっと肉体を使ってデカデカとぐちゃぐちゃに描いてみたいというのが本音です。
まぁ、立場が立場ですので、創作に没頭できる広いアトリエの確保なんて夢のまた夢ですが・・・
でもやっぱり、絵の具を飛び散らせて身体で描きたいなぁ~

元少年A
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  • 元少年Aの "Q&少年A″①/10月12日 創刊号

    • 2015/10/12
    • 07:00
    おはようございます。元少年Aです。
    晩秋の朝、御目覚めいかがですか?
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    触角ポーズ
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    たくさんのメールをお寄せいただき、ありがとうございました。
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    ホームページ上にFAQコーナーを設けようかとも思ったのですが、想像に反して真摯な内容のメールが多かったため、誰でも気軽に覗けるホームページ上ではなく、元少年Aとよりディープに、魂の触角と触角が絡み合うようなやり取りができるよう、新たに別な場所を設けることにしました。
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    プライバシーに配慮し、一般の方に関しましては明らかにハンドルネームとわかる場合を除き頭文字表記or任意の呼び名とさせていただきました。
    すべてのメールにコメントできるわけではありませんので、あらかじめご了承ください。

    このブロマガは隔週月曜日に発行します(次回発行は10月26日です)。

    ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

    #001
    元少年A様

    はじめまして。
    フリーライター渋井哲也と申します。
    ホームページ拝見しました。

    私は、事件当時、長野県で新聞記者をしていました。声明文にあった「透明な存在」というフレーズが気になり、中高生にそのフレーズの印象を取材していたのを記憶しています。

    また、その後、事件に関して様々な考察がされるなかで、それらの言説を当事者ご本人はどう思っているのかも気になっていました。

    「絶歌」も読ませていただきました。もちろん、元少年A様がどのようにあの事件を整理しているのかも関心がありました。ただ、当時、冤罪説がありまして、そのことについてどう考えているのかも知りたいと思ったのですが、それについては触れていませんでした。

    また少年院内での生活についても知りたかったのですが、そこは触れることがなかったのは、何かの配慮なのかと思った次第です。

    ご著書を拝読しての私のなりの考察があります。

    http://magazine-k.jp/2015/07/13/zekka/

    私の希望として、私の考察について、何か話ができないものかということです。お会いすることができれば幸いですが、いかがでしょうか?

    ***

    渋井哲也様

    はじめまして。
    メールありがとうございます。

    「冤罪説」って、けっこうマジで主張している人が多いんですか?
    僕は自分のやった行為の鮮明な記憶をほとんど身体器官の一部のように知覚しているため、「冤罪」といわれてもピンとこなんですね。
    本で触れなかったのは単に「冤罪説」に興味がなかったからであって、正直どうでもいいというか・・・

    『絶歌』に関する記事も拝読しました。
    かなりきちんと読み込まれたのですね。

    ――彼には病識がないのではないか。つまり、自分は精神を病んでいないと思っているのではないか。――

    と書かれていましたが、確かに僕は精神鑑定においては「精神病ではなく、それを疑わせる症状もない」と判断されていました。
    でも、自分が健常者であると思ったことはありません。
    専門家から統合失調や精神病質、アスペルガーを疑われることもありますが、僕の抱える異常性の本質は、異常性そのものよりも、異常さと、同等かそれ以上のまともさの“ギャップ”の部分にあるのではないかと自分では感じています。
    部分的には、普通以上に普通な感覚も持っています。明らかに病理性を感じる部分もあります。それは誰でもそうなのかもしれませんが、僕の場合は他の人たちと比べてその落差が激しすぎるのかもしれません。

    図書館の『絶歌』への対応に関する渋井さんの考察は的を得ていて面白いです。
    この本をどう受け止めるかは、もはや僕個人の問題ではなく、全ての「元加害者たちの表現」にまで関わってくるのかもしれませんね。

    あと、関係ないですが、松本麗華さんのインタビュー記事も興味深かったです。
    彼女も筆舌に尽くしがたい苦しみを味わったのですね。
    年齢にそぐわないその眼に苦難の色が滲み出ているように感じました。
    富士宮市の総本部の荒れ果てた屋上。
    白熱灯に吸い寄せられる無数の蛾。
    柵を越え、死神と戯れる5歳の少女。
    読んでいるだけで、その時吹いていた風の冷たさを肌に感じるような、切なくやりきれない風景です。
    よく今日まで生き抜いたと思います。きっと芯の強い方なのですね。
    僕はまだ彼女の本は未読なのですが、この記事を読んで、一読の価値はあるかもしれないなと思いました。
    彼女の抱える過酷な宿命や「生きづらさ」は僕には想像もつきませんが、同じ世紀末を特殊な環境で過ごした同年代の者として、自分自身の「生きづらさ」と向き合うヒントになるかもしれません。

    取材に付いては今のところはお受けすることはできません。
    まずはここで意見交換をし、大きなリスクを冒してまであなたに会いたいと思えるようになれば、まったく実現不可能というわけではありませんが・・・
    世間的に今は“WANTED!!”扱いですので、ご理解いただきたく思います。

    元少年A

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    #002
    初めまして

    いきなりで失礼します。本に関しての質問です。

    絶歌読ませていただきました。事件当時私は小学校三年生で神戸に住んでおりましてかなり衝撃を受けたのを覚えております。なので、本が発売されてすぐに購入いたしました。本に関しての感想になってないかもしれないですが、いい意味でも悪い意味でも、こんなに衝撃的で、心に残る本は初めて読みました。読んでからしばらくは眠れませんでした。
    ここで質問なんですが、また本を出版されるご予定はございますでしょうか?

    ***
    初めまして。
    神戸の方なのですね。だとすれば事件の記憶も生々しく残っているかと思いますが、読んでいただけて嬉しいです。
    しばらく眠れなかった?やはり、あの“魔のP62~63”が原因でしょうか?
    この先また本を出版するかどうか、出すとしたらどんなものを出すか、今のところはまだぜんぜん未定です。

    元少年A

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    #003
    ギャラリー見ました

    ナメクジアート、ちょっと独創的で面白いと思いました。
    元少年Aさんはこれから一生を通して誹謗中傷を受け続けるのだろうと思いますが、そのことでまた道を違うことなく、そして何かを想像、創造することを続けて行ってください。
    元少年Aさんが今後作りだす何かを楽しみにしています。

    ***

    心強いエールをありがとうございます。
    ナメクジアートを楽しんでいただけて何よりです。
    僕にとってものを作ることは生理現象ですので、どんなに誹謗中傷を受けようとこれから先もやめられそうにありません。
    どうぞ生温かい眼で見守っていてください。

    元少年A

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    #004
    ご著書「絶歌」と公式サイトを拝読して

    「存在の絶えられない透明さ」ウェブマスター 様
    はじめまして。私は、新潟青陵大学にて心理学を担当しております碓井真史と申します。
    貴サイトに関しまして、マスメディアの方からの取材を受けた関係で、
    一般の人より一足早く、サイトとメールアドレスを知りました。

    ご著書とホームページを拝読いたしました。

    ご著書の出版に関しましては、様々な意見があります。
    出版に関しては、私も問題を感じざるを得ません。
    しかし同時に、ご著書を拝読し、心震える思いを持ったこともまた事実です。
    教育や少年司法に関わる人々には、ぜひ読んでもらいたいと感じました。

    ホームページも、興味深く拝見いたしました。
    インターネットは、たしかに自由な表現の場としては、良いものだと思います。

    「ギャラリー」にある、昆虫のようなものが、祈っているように見える絵が、私は気になりました。
    なめくじは、あなた自身の象徴なのでしょうか。
    メイキングは、普通の人にとってはかなり気持ちの悪い画像でしょう。
    「レビュー」を拝見し、私も「ひげよ、さらば」をアマゾンで注文しました。
    「NIGHT HEAD」は、私も当時テレビで見ていて、とても印象的なドラマでした。
    佐川一政さんに関するコメントも、納得させるものがあります。
    さて、ホームページとメールアドレスを公開すれば、様々な意見が寄せられるでしょう。批判的な意見が来ることもご覚悟の上かと存じます。
    犯してしまった犯罪事実は消えませんが、法的にはすでに終わっています。どうぞ、今後とも心穏やかに、そして優れた表現者としてご活躍されますことを、お祈りしております。
    新潟青陵大学 碓井真史(うすいまふみ)

    ***
    碓井真史様

    はじめまして。
    僕も碓井さんがWEBに書かれた、
    『元少年A公式ホームページ「存在の耐えられない透明さ」全文を読んで:酒鬼薔薇事件は今も続いているのか』
    を拝読しました。

    「彼は彼なりに深く反省し後悔していると思います。」
    「犯行当時の彼とは違い、今は人の優しさも彼なりに感じ取れるようになっているようです。」

    と書いてくださっていたことが印象的でした。
    普通、こういった行動を取れば「ほら見ろ、あいつは全然治っていないし、反省もしていない」という、判で押したような意見しか出ないものと思っていたのですが、碓井さんは人間全般への理解が他の人たちよりも一段深い方なのだなと、素直に感動したものです。

    一つの行動やある一側面だけを見て、「こいつはこういう奴だ」と決めつけたがる人が多いですが、そういった人は誰かを憎みながら愛したことはないのか、傷付けながら抱きしめたことはないのか、笑いながら泣いたことはないのだろうかと、不思議に思うのです。

    「ひげよ、さらば」は10数年前に一度読んだきりなのですが、かなり中毒性の高い文体で、最大の魅力は、まるで上質のギャング映画を見ているような、猫たちのクールで洗練されたリズミカルなセリフの応酬です。僕は途中で本を閉じることができず、少年院の独房で食事の時間も箸を片手に読み続けていました。ページ数は多いですが、アッという間に読み終わると思いますよ。

    と、書いているうちに僕もまた読みたくなってきちゃいました(笑)

    それにしても、「真史(まふみ)」ってユニセックスで美しい名前ですね。
    ご両親のネーミングセンスが素晴らしいです。

    元少年A

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    #005
    はじめてメールを送付させていただく。

    ご自身が、あのサカキバラであるならば
    罪の償い方について一言申し上げる。
    法的には、罪を償ったといえるかもしれないが、
    ご自身のしでかした罪がこれから先も消えることはない。
    ご自身は、2名の年端もいかない子供の命を奪ったでけでなく、
    そのうち一人の首を切断し、小学校の校門にさらしたということを行っている。
    (当時の報道での記憶だが・・)
    以上のことで私はこう考える、
    ご自身は、2名の子供の未来を奪っただけなく、
    親がその子供たちに願っていた、想いまで踏みにじったのだ。
    書籍を出して、「当時の自分の気持ちを理解してほしい」な どと、
    言える立場にないことだけは明言しておく。
    行った罪について深く反省して、
    罪を一生背負って生きていくことを要求する。
    反省のなかで、自殺したところで、
    多くの人々及び、被害者遺族がご自身を許すはずがないことを
    申し添えておく。

    ***

    “禿同”です。

    元少年A

    ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

    #006
    ギャラリーについてのご感想

    元少年Aさん(Aさんとお呼びしてもよいのでしょうか…)

    はじめまして。
    都内に住んでいるOという者です。

    ウェブのニュースから、あなたのホームページにアクセスし、いろいろなコンテンツを眺めました。
    『絶歌』だけでなく、このサイトも大変な話題性のあるもので、たくさんのメールが届いていると思います。

    さっそくですが、ぜひご感想を伝えたいと思い、こうしてメールを送ることにしました。
    おおざっぱで、もしかするとピントがずれたものもあるかと思いますがご容赦ください。

    まず、ギャラリーに掲載されているグラフィック作品の完成度の高さにおどろきました。
    『絶歌』の心象風景や詳細な人物像の描写などから言語能力に非常に優れていると思っておりましたが、違いました。
    そうではなく、芸術一般について豊かな感受性があるのだと思い直しました。

    何かを嘆き、涙を絞り出しているような情緒の激しさが、Aさんの自己像でもあるナメクジのモティーフと奇妙に調和していて、脳裏から離れない強烈な表現になっていると思いました。
    素朴な感想で恥ずかしいのですが、デッサン力や構成力の確かさがそれを可能にしているのだと思います。
    線の太さや配色もバランスがよく、素直に頭に入ってくるものでした。

    アエダヴァームはすごいです…強烈です。
    端から流れ出ているのは精液でしょうか。
    ここでは、『絶歌』でAさんのおっしゃられた「醜悪」や「貧弱」というよりも、
    「生命」や「性」に近いものとしてナメクジが配置されているようで大変興味深かったです。

    セルフポートレートも拝見させていただきました。
    鍛えられ、皮膚の滑らかな美しいAさんの体と、チェストバスターやサソリといった醜悪なイメージがコラージュされていて、
    この対称性は視覚的に面白いものだなぁと思いました。

    陰陽(太陽と月)や五行(木・火・土・金・水)など原始的なモティーフが自画像に添えられているのも興味深いです。
    母胎回帰に重なるものなのでしょうか…。

    『絶歌』で断片的に示されていたテーマが視覚的に示されていて、大変面白い体験でした。
    とりわけナメクジにはキャラクター性があると思いました。
    第三者からは、こういって失礼にあたらないか分かりませんが、「キュート」なものにも映りました。

    すみません、拙い感想を長々と書いてしまいました。
    作家としてではなく、グラフィックデザイナーとしての側面を見ることができたのは予想外の芸術体験になりました。
    その興奮のまま書き記しているもので、拙い文章になっているかと思いますが、なにとぞご寛恕ください。

    それでは、失礼いたします。

    O拝

    ***

    O様

    嬉しい感想、ありがとうございます。

    「エイリアン」と言わず「チェストバスター」がすっと出てくるって、Oさんもギーガー好きですか?
    『エイリアン』制作舞台裏に密着したドキュメンタリー映画『ギーガーズ・エイリアン』で、ギーガーが樹脂を捏ねながらひたすらエイリアンの成体「ビッグチャップ」のモデルスーツを造形するシーンは、見るたびに創作のモチベーションが上がります。
    黙々とモノを造ることの楽しさを教えてくれるのです。
    ペニスを基にしたといわれるあのビッグチャップの独特な形態は、クリーチャーデザインに革命をもたらしましたね。
    グロテスクなのにエレガント。禍々しくも美しい。
    ドラゴンボールZのフリーザ第3形態も、ギーガーのビッグチャップを参考にしたとか・・・

    もともとグラフィックは、『絶歌』の表紙の作成のために2013年の冬頃から始めました(僕が考案したデザインは最終的に全部ボツりましたが・・・(T T)。
    それまでパソコンで絵を描いたことなんてなかったので、無料の画像処理ソフトGIMPの技法書を買い込んで部屋に籠りっきりで勉強したものです。
    僕はとにかく「線の表現」が好きで、自分なりに線描表現を極めたいと思い、コピー用紙何百枚に筆で線を描き、それをスキャンで読み込んで、大量に溜まった線の画像を、「このハネがいい」「このトメがいい」「このハライがいい」「このカスレがいい」と、数センチ単位で切り取って、数えきれないほどの線のパーツを組み合わせて1本の線を作り上げる技法に取り組んでいます。
    ホームページにアップしたイラストはすべてそうやって描いたものです。

    醜悪なナメクジも、寝食を共にしていれば自ずと「キュート」に見えてくるものです。

    確かにOさんの仰るように、僕にとってナメクジは「生命」や「性」の象徴なのかもしれません。

    アエダヴァームは、本当は2m×4mくらいの横長のキャンバスに思いきり描きたかったのですが、何せ場所がなくて・・・
    場所の節約のためにデジタルに手を出しましたが、僕は元来、根っからのアナログ人間で、もっと肉体を使ってデカデカとぐちゃぐちゃに描いてみたいというのが本音です。
    まぁ、立場が立場ですので、創作に没頭できる広いアトリエの確保なんて夢のまた夢ですが・・・
    でもやっぱり、絵の具を飛び散らせて身体で描きたいなぁ~

    元少年A
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