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訃報:古田武彦さん89歳=古代史研究家

毎日新聞 2015年10月15日 22時10分

 邪馬台国論争などで斬新な独自説を打ち出した古代史研究家、古田武彦(ふるた・たけひこ)さんが14日、京都市西京区の病院で亡くなった。89歳。葬儀は故人の意向で営まず、お別れの会を行う。責任者は長男光河(こうが)さん。

 福島県生まれ。東北大で日本思想史を学び、高校教師、龍谷大講師を経て1984〜96年、昭和薬科大教授。

 初め親鸞の研究者として知られたが、69年、現在伝わる「魏志倭人伝」の版本で女王卑弥呼の「邪馬台国」が「邪馬壹(いち)国」となっていることを指摘し、原典の表記に忠実に読むよう主張する論文を発表した。女王国の所在地は博多湾岸で、その系譜を引く九州王朝が存在したとする独自の古代史像を提示し、多くの研究者と論争を繰り広げた。

 「『邪馬台国』はなかった 解読された倭人伝の謎」「失われた九州王朝 天皇家以前の古代史」など多数の著書があり、賛同者や読者によって研究会が組織されるなど、「古田史学」として人気を呼んだ。

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